お肉の貯蔵庫

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『色づく世界の明日から』を振り返る 第6話!

 

第6話の振り返り

あらすじ

『金色のサカナ』

 瞳美からプレゼントされた星砂を使った際に、唯翔が目にした金色のサカナ。それは、唯翔が小学校の時にはじめて賞をもらった絵に描いてあるものだった。奇妙な一致に、心惹かれる瞳美。
そんな中、魔法写真美術部のメンバーは、撮影会でグラバー園に出かけることに。再び現れた金色のサカナに導かれ、瞳美は気付くと絵の中の世界にいた。

色づく世界の明日から 公式サイトより抜粋)

 

 

ストーリー

シーン① 瞳美から貰った星砂を使う葵

 葵が星砂を撒くとプラネタリウムが広がり彗星が流れる。

 それに感動した葵の元に金色のサカナが現れる。サカナはそのまま部屋を泳ぎタブレットへ潜る。

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シーン② 金色のサカナ

 次の撮影会候補地がグラバー園に決まったミーティングのあと。

 瞳美に星砂の感想を尋ねられ、葵は途中で変なものが見えたという。

葵 「いや、わかんない。突然、星と一緒に金色のサカナが出てきたんだ」

瞳美「サカナ?」

 瞳美は初めて葵の絵を見たとき目撃した金色のサカナのことを思い出す。

 それを聞いた琥珀は星砂の作り方には問題はなかったといい、原因がわからない様子。

葵 「あのサカナは俺がときどき絵に描いてたものだと思う」

  「小学生のとき授業で描いた絵で、初めて賞をもらった」

  「そのときに描いたのが金色のサカナだったんだ」

  「どうしてそんなものが出てきたかはわからないけど」

瞳美「その絵って今はどこに」

葵 「さあ、どっか仕舞ってあるんじゃない」

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シーン③ 葵が初めて受賞した絵

 葵ははぐらかしたが、絵のことが気になる瞳美は将に相談する。

 幼馴染の将は葵が初めて賞をもらったという絵を知っているらしく、放課後、瞳美は当時の写真を見せてもらうことになる。

 将が持ってきたのは展覧会で飾られる絵を写真に収めたものであったが、それでも瞳美には絵が色づいて見える。そして、初めて葵の絵を見たとき現れた金色のサカナと同じであることに気付く。

将 「賞もらったとき、唯翔の親父さんがすごく喜んでさ」

  「それから絵を描くようになったんだ。唯翔ってそういう話あんまりしないんだよな」

  「自分のこと話すの好きじゃないのかも、あいつ繊細だから」

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シーン④ 琥珀の言葉を思い出すあさぎ

 その後、将は瞳美をまほう屋まで送ることを申し出る。瞳美は将の斜め後ろを歩き、二人の間に会話はない。

 まほう屋に着くと、自作のポストカードをまほう屋に置いてもらうことにしたというあさぎと遭遇する。

 感心する瞳美と将。一緒に来た二人から逃げるように歩き出す。瞳美を無事送り届けた将はあさぎを追いかける。

  瞳美を送ったときとは反対に積極的に声をかける将。ポストカード作りに挑戦したことを褒められ、あさぎは照れるが、琥珀の「未来を変えるのはいつも自分」という言葉を思い出し、将に向き直る。

あさ「将君やめてください、私もう小学生じゃないんです」

 敬語でそう言って、将を置いて一人で帰るあさぎ。

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シーン⑤ 第二回 遠征撮影会と葵の絵の中

 第二回遠征撮影会のためグラバー園に到着した一行は貸し衣装に身を包む。一通り撮影を終えると、一同はそれぞれの時間を楽しむ。

 瞳美は一人離れたところで難しい顔をして絵を描く葵を見つける。

 葵のタブレットには金色のサカナが泳いでおり、変わらず色づいて見えるが、葵はその上から黒いペンを走らせボツにする。

 瞳美の目にはタブレットから色がこぼれ出すように見え、金色のサカナはタブレットを飛び出てしまう。飛び出たサカナは瞳美を葵の絵の中へといざなう。

 瞳美が立つ奥行きのある部屋の窓からは花火が見える。

 花火の打ちあがる音が聞こえるが夜空に花火はなく、雨が降りしきり水が溜まった地面に花火は打ちあがっている。瞳美がふと下を見ると、金色のサカナが泳いでいた。

 これらはすべて瞳美が初めて見た葵の絵にそっくりの光景だった。

 瞳美は金色のサカナが泳いでいった方向に歩き出す。すると風景は変わり、雨は止み、鳥が鳴き始める。そして、瞳美を包み込むほどの靄が立ち込めている。

 この光景はグラバー園で見た現在の葵の絵。

瞳美「どうしたら帰れるんだろう?」

  「誰かいませんか、誰かー!」

 誰も見つけられない瞳美は絵でも見たことがないような荒野に辿り着く。

 そこでは金色のサカナが色を失い朽ち果てていた。

 もっと先へ進むと、瞳美は黒い渦のようなものを見つける。

瞳美「あれも色?」

 元々モノクロにしか見えない瞳美にとって、黒い渦が本来は色のあるものなのかそうでないのか自信が持てない。

 黒い渦の中に一人、網を持って色褪せたサカナを追う影を見る。瞳美はサカナを追って沈んでいく影に注意するが、その声は届かない。

 瞳美は影を追って黒い渦に入ると、力尽きた色褪せたサカナが打ちあがってくる。黒い影は帰ってこない。

 そこで瞳美は目を覚ます。

瞳美「私いま葵先輩の絵の中にいた」

 あったことを全て葵に話す瞳美。かつて「何も知らない方がお互い楽だから」と語った瞳美は心配するあまり、琥珀に全て相談してみてはどうかと言ってしまう。

 自分のことを話すのが好きじゃない葵はそれを突っぱねる。

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シーン⑥ ハリネズミのジレンマ

琥珀「自覚がないのに魔法が使えるなんて、魔法使いとしてはかなりすごいよ」

  「でも、危険でもある」

  葵に怒られてしまったことを悔やむ瞳美と、それを慰める琥珀

 「優しい距離が見つかるよ、きっと」

 琥珀は今の瞳美と葵はハリネズミのジレンマだといい、お互い大事に想うからこそ傷つけあうのだと語る。

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シーン⑦ 女子だけの部室

 部室にて、プリントする写真を選ぶ胡桃。その中には瞳美と葵がぎくしゃくした後の気まずい一同の写真も収められていた。

琥珀「でも、こういう写真も後から見ると、いい思い出になりそう」

胡桃「そうそう。お決まりの笑顔ばっかじゃつまんないもん」

  「それにね、絆って少し叩いた方が強くなるのよ」

 我慢していたがやっぱり何があったか気になると詰めるあさぎ。瞳美はかつてのように拒絶することなく、「魔法のせいで怒らせた」と素直に打ち明ける。

瞳美「ごめんなさい、これ以上は」

胡桃「話さなくてもいいよ、友達でしょ」

 葵の刺すような目を思い出し、ため息を吐く瞳美。

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シーン⑧ 朝川砂波 作品展

 朝川の初個展のお祝いに訪れる葵。

 やる前は不安でいっぱいだったと語る朝川に、葵は意外そうな顔をする。

 思い出したように瞳美セレクトの星砂を渡すと、朝川はチョイスを褒める。

 客入りが少なくなると、朝川は葵の絵を見たいという。

葵 「先輩はなんで絵を選んだんですか?」

朝川「そんなカッコいいものじゃないよ」

  「今も先のこと考えると怖くなる」

  「自分には絵しかないとか、そういうすごい人にはなれないから」

  「描いて描いて描いて、とにかく描いてたら何か見つかるんじゃないかって。好きだから」

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シーン⑨ 取り戻した色

 朝川作品展を訪れた瞳美と琥珀は、朝川といる葵の姿を目撃する。瞳美はその場から逃げ出してしまう。

 琥珀が魔法で瞳美の傘を舞い上げる。葵はその傘を拾い瞳美を追いかける。

葵 「月白。俺、描くから」

  「今描いてる絵、出来上がったら月白に見てほしい」

 葵はそう言って傘を渡す。

 そのとき、荒野で朽ち果てていたサカナは色を取り戻し空を泳ぎ始める。

 金色のサカナは再び瞳美の周りを泳ぎ始め、瞳美の世界もまた色を取り戻す。

 瞳美は色を楽しむかのように傘を差さず街を歩く。

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シーン⑩ 瞳美が自分にかけた魔法

琥珀「魔法は人を幸せにする。それからときどき不幸にもする」

 本を口に出して読む琥珀

瑠璃「そうよ。注意してないと、自分の力に飲み込まれてしまうの」

琥珀「瞳美が絵の中に入ったのは自分で自分に魔法をかけたせい?」

瑠璃「たぶんね、未熟なうちはそういうこともあるのよ」

 そこでびしょ濡れの瞳美が帰ってくる。

瞳美「さっき色が戻ったの」

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登場する魔法

瞳美が作った星砂

 葵が使うとプラネタリウムが現れ、彗星が流れた。そして、瞳美は星砂に込めた自覚のない金色のサカナも現れ葵のタブレットの中に入っていった。占いにおいて、彗星には良いことが起こる前兆という意味がある。

葵の絵に入った魔法

 具体的にどういう魔法かは不明。瞳美は絵の中で金色のサカナを追っているうちに、見たことのない絵に辿り着き、そこで朽ち果てたサカナ、黒い渦、黒い影を見る。

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瞳美の傘を舞い上げた魔法

 琥珀は傘を奪うことで、葵の前から逃げ出す瞳美を引き留めた。葵は傘を持たずに走り去る瞳美を追いかけた。

 

第6話の感想や考察

瞳美の魔法

 葵が瞳美からもらった星砂を使ったとき、プラネタリウムとともに彗星が現れました。

 調べてみたところ、占いの世界で彗星は「良いことが起こる前兆」とされているようです。ただ、一昔前は逆に「悪いことが起こる前兆」とされていたようです。

 どこか琥珀の、

琥珀「魔法は人を幸せにする。それからときどき不幸にもする」

 というセリフと被る意味合いですね。 

 

あさぎと将

 あさぎがポストカードを作ったことを褒める将。 あさぎはそれに一瞬喜びかけて、将に向き直る。でも、敬語が抜けきらない。

 この二人は本当に見ていてもどかしいですね……。あそこで喜んじゃったら、ずっと今のままだもんな、あー。

 

金色のサカナと瞳美の魔法

 こちらについてはツイッターでいろいろ考えたので引用します。

 金色のサカナは葵にとって「見た人を喜ばせることができる絵」の象徴なんだと考えています。

 そして、金色のサカナが葵のタブレットに入るということは、葵がそういう絵を描くモチベーションを得たということなんじゃないでしょうか。

 だから、瞳美が葵の絵を大切に思う理由を改めて聞いた(5話)後に金色のサカナが現れた。もちろん、葵は魔法を使えないので、瞳美が無意識にそういう原動力を魔法に込めたのかもしれません。

 

葵が吹っ切れた理由

 葵は先輩の朝川と話をしたあと吹っ切れます。

朝川「今も先のこと考えると怖くなる」

  「自分には絵しかないとか、そういうすごい人にはなれないから」

  「描いて描いて描いて、とにかく描いてたら何か見つかるんじゃないかって。好きだから」

 吹っ切れた理由はイマイチ掴めていませんが、個展を開くようなすごい先輩でも自分と似た等身大の悩みを抱えていることを知って描くしかないと思ったって感じでしょうか。

 瞳美を父親のように「絵を喜んでくれる人」と認識してしまうと、いつかくる別れが辛いから必要以上に仲良くしたくないとか、でも、瞳美が葵の絵を大切に思う理由も聞いてしまったから描いてあげたいとか色んな葛藤はあったはず。

 でも、やっぱり答えを見つけたかったら、とにかく描くしかない。……そういうことなんでしょうか。

 

 ちょっとモヤモヤが残る。

 上で瞳美は未来を変えることができるんじゃない?的なツイートを引用しましたが、こうやって冷静にいろいろ考えてみたら、葵は瞳美が来たからスランプになったとも言えますもんね。

 それに結局スランプから脱する決め手は先輩だったわけで、瞳美が葵の未来を修正したと考えるのは説得力に欠ける……???

 でも、瞳美が来なかったら、それはそれで葵は自分の殻に閉じこもったまま何のために絵を描いているかわからないままだったんじゃ、とも思うんですよね。

 そういう広い目で見たら、やっぱり瞳美は葵の未来を変えたようにも見える。