『色づく世界の明日から 第11話』感想(ネタバレ)!
第11話 まとめ
あらすじ
『欠けていく月』
魔法写真美術部の面々は、文化祭の用意で大忙し。胡桃、将、あさぎら写真部は展示の準備を、唯翔は魔法部が使う「絵」を描き進め、琥珀と瞳美はイベントを成立させる魔法の練習に余念がない。しかしそんな中、暗室に入った瞳美が突然姿を消すというアクシデントが発生。すぐに見つかったものの、琥珀はこの出来事が、瞳美が時の間(あわい)に引き込まれる―その危険な兆しであることに気付く。
(色づく世界の明日から 公式サイトより抜粋)
ストーリー本編
シーン① 教頭の懸念
琥珀は教頭と担任に文化祭での魔法写真美術部の出し物について説明する。
教頭は琥珀が自信満々なときほど不安になると語る。
シーン② 文化祭の準備
魔法部の出し物で使う絵の出来について部員に相談する葵。
葵が部員に相談するのは初めてのことで、胡桃は「人に絵を見せるのあんまり好きじゃない」と言っていた頃から変わったという。
葵 「絵をやってくって決めたから」
成長した葵を見て、将はあさぎのポストカードも販売してはどうかと提案する。あさぎは「無理」と断りかけるが、途中で首を振って、前向きに考え直す。
全員が文化祭に向けて全力を尽くしていることを再確認したところで、部員はそれぞれ作業に乗り出す。
あさぎの撮影会で見たペンギンがお気に入りだと話す瞳美のために、葵はペンギンを絵に描き足す。
シーン③ 姿を消す瞳美
暗室に入ったはずの瞳美が忽然と姿を消す。その場面を目撃したあさぎは胡桃たちに相談するが、再度暗室に足を運ぶと瞳美はそこにいた。
瞳美「あれ、私なにしてたんだっけ」
千草「何言ってんの、瞳美先輩」
あさ「びっくりした。ずっとここにいたんですか、瞳美ちゃん?」
瞳美「多分、一瞬時間が飛んじゃったみたい。変なの」
何事もない様子の瞳美に安心する一同だが、琥珀は「時間が飛んだ」という言葉が引っかかる様子。帰り道、琥珀は英文メールを誰かに送信する。
シーン④ 柳堂魔法古書店
まほう屋の前まで帰ってきた瞳美と琥珀。琥珀の元にLavinia Uttleyという人物から先ほどの返信が届く。
琥珀「時の間……」
メールを見るやいなや、琥珀は以前も訪れた柳堂魔法古書店へ駆け出す。
店主・一柳柊生に工房への仲介を頼んでいた琥珀は、星砂時計の制作を早めてもらえないかと頼み込む。
琥珀「ロンドンの特殊時空魔法学のアトリー先生に時間魔法のことを尋ねてみたんです」
「時間魔法には永続的な拘束力はなく、必ず歴史修正力の影響を受ける」
「それは対象となる人や物を旅先から時の間に引き込もうとする形で現れる」
「兆しが見え始めたら、早く手を打たないと時の間に閉じ込められてしまうんだそうです」
「家族に今、その兆しがあって」
一柳「できるだけ早く元の時間に返してあげたいんだね」
琥珀「でも私、大きな時間魔法なんて使ったことないんです」
「私がやらなきゃいけない。瞳美を助けてあげたいのに、できるかどうか不安で」
一柳「やり方がわかってるなら、後は魔法力の問題だと思うよ」
「君の魔法力が足りないなら、他の魔法使いと協力し合うとか」
そして、一柳は成功させるためには純度の高い星砂を使うことが必要だとアドバイスする。
シーン⑤ 瞳美と琥珀
瞳美に未来に帰る時が近づいていること、それは出来るだけ早いほうがいいことを告げる琥珀。
やっとできた友達、色が見える絵、葵への感情など2018年に思い入れがある瞳美は戸惑う。
その晩、琥珀は柚葉おすすめのスポットへ星砂採集に出かけるが、純度の高い星砂が少ないことに物案じする。
シーン⑥ 再び姿を消した瞳美
校内では、台風接近のため部活動を中止し帰宅するようアナウンスがかかる。
みんなで帰る最後尾、葵の横を歩く瞳美は自身が差す水色の傘から一時的に色を取り戻した日のことを回想する。
瞳美「この傘見ると思い出すんです、あの雨の日」
「これから雨が降るたび思い出すんだろうな、私」
「忘れない、唯翔さんのこ――」
しかし、言葉の途中で再び姿を消してしまう。
葵は部員を呼び止め言葉を尽くして説明するが、あさぎ以外の部員は信じられない様子。
琥珀「ごめん、みんな」
葵 「なんか知ってるの、琥珀?」
琥珀「瞳美に掛けられた時間魔法はほころび始めてる」
「早くしないと瞳美が時の間に引き込まれて、二度と戻ってこれなくなるかもしれない」
急いで捜索にあたる一同だが、瞳美の姿は一向に見当たらない。
しかし、暗室から姿を消したときは再び暗室に現れたことを思い出し、姿を消した場所を見に行くと瞳美が横たわっていた。
シーン⑦ 琥珀と柚葉
自室のベッドで眠る瞳美を心配そうに見守る琥珀。
琥珀の元に柚葉がやってくる。
柚葉「瞳美を助けたい人たちと協力すれば、大きな魔法を成し遂げられる」
未来の琥珀が託したのであれば確信があるはずだと、柚葉は琥珀を励ます。
シーン⑧ 琥珀の決意
瞳美が目を覚ますまで見守っていた琥珀は、学校に着くと瞳美を未来に返すときがきたと部員に打ち明ける。
時間魔法の行使には60年分の月光を浴びた星砂が必要で、それを集める協力を仰ぐ琥珀。
「魔法のほころびはどんどん広がってしまうから、次の新月に間に合わせなきゃいけないの」
将 「それっていつ?」
琥珀「明後日、後夜祭の夜」
その事実に部員はそれぞれの反応を示すが、あさぎは泣き出してしまう。
千草に泣いても解決しないと言われると逃げ出してしまう。
シーン⑨ 星砂採集
その晩、みんなで星砂採集へ。琥珀が以前訪れたときとは違って、十分な量の星砂があった。
あさぎも遅れてやってくる。千草とも無事に和解し、魔法写真美術部は翌日の文化祭を最高のものにしようと誓い合う。
一方、瞳美も月白家に背中を押される形で砂浜に来ていたが、みんなの様子を遠くから眺めるばかりで輪に入ろうとしない。
瞳美「わからない、まだ。どうしたらいいのか」
「みんなが笑ってくれても、私まだ全然」
「新月がこなければいいのに」
その後、琥珀はみんなで集めた星砂を一柳へ届ける。
シーン⑩ 紙飛行機
一人先に帰宅していた瞳美がふと窓の外を見ると、葵の部屋の明かりが点く。
瞳美は魔法を込めた紙飛行機を葵宅へと飛ばす。紙飛行機はトンと葵の部屋の窓を叩く。
それに気づいた葵が窓を開けると、瞳美の寝室の照明が点いては消えるのが見える。葵も呼応するように同じことをする。二人は何度かそれを繰り返す。
葵とコンタクトが取れたことを確認すると、瞳美はもう一通、今度はメッセージを添えた紙飛行機を飛ばす。紙飛行機は明かりが点いたままの葵の部屋へ飛ばしたはずだったが、意図せぬ方向へ向かっていく。
一瞬戸惑う瞳美だが、魔法が失敗したわけではないことに気付く。
瞳美は家を飛び出すと紙飛行機に導かれるように走り出す。追い続けた先、紙飛行機が勢いを止めた場所には葵がいた。瞳美はその胸に飛び込む。
瞳美「唯翔くん」
葵 「俺も会いたかった」
葵の元に届いた紙飛行機には「会いたい」と書かれていた。
登場した魔法
星砂を見つける魔法(?)
琥珀が時間魔法に適した星砂を探す際に使った魔法。
紙飛行機に込めた魔法
具体的な説明はされていないが、指定した場所へ紙飛行機を飛ばせる魔法だと思われる。おそらく葵のところへ届くよう設定されており、一度目は葵の部屋へ、二度目は瞳美の元へ走り出していた葵のところへ無事に届いた。
第11話 感想
教頭の懸念
留学前の琥珀のやりすぎちゃった伝説から、教師陣は何かと琥珀の行動に注意を払ってるみたいですね。でも、無理に制限しようとしないあたり素敵というか、P.A.WORKSのオリジナルアニメって嫌な大人が出てこなくて好きです。
ただ、今回は教頭らの懸念がフラグ的に描かれていて、面白くもあり不穏だなーという印象です。……文化祭で魔法を使うとき何か起こるよってフラグ。
琥珀の武勇伝すら、こうした演出に使うんですから、本当に設定に無駄がないですよね。
英文メール
琥珀、英語堪能なの!? って思いましたが、よく考えなくても留学してたんですもんね……。
メールの内容はほとんど琥珀が解説してくれているんですが、一応訳したものを載せておきます。
僕は英語に明るいほうではないのでニュアンス混じりの意訳ですが、ご了承を。作画から読み取れる範囲のみ訳します。
〈琥珀が送信したメール〉
瞳美は60年後の私が唱えた時間魔法によって、この時代へ送られてきました。
ところが、先ほど彼女は私たちの前から突然姿を消し、数分後に再び現れるということをしました。
今までタイムトラベラーがこうした出来事に遭遇したという話を聞いたことがありませんでしょうか?
瞳美は危険な状態にあるのでしょうか?
困ったことに相談できる相手がいません。
私たちを助けてください。
お早いお返事を頂けると幸いです。
よろしくお願いします。
〈琥珀への返信〉
こんにちは、琥珀。元気にしてますか?
相談してくれてありがとう、なかなか興味深い話ね。
タイムトラベラーが一時的に姿を消す現象について、私は時間魔法には永続的な効果は無くて、歴史修正力の影響を免れないものだと考えているわ。
未来からやってきたタイムトラベラーは皆、自然の摂理に反する存在なの。
だから、時の間に除外しようとする力が働くのよ。
柳堂魔法古書店の店主
星砂時計を制作してくれる工房への仲介をしてくれていたのはこの人だったみたいです。
琥珀は先生とメールしたあと、店主の一柳のところへ急いでいきます。
もちろん、星砂時計の制作を早めてもらうよう頼むためですが、なんだか一人の女の子として泣きついているように見えなくもない感じでした。
琥珀って今まで柚葉以外には気丈に振る舞ってたイメージなので結構意外でしたね。
というか、一柳の声優が諏訪部さんということで、ただのモブじゃない感がプンプンします。
琥珀だけ未だに恋愛描写がないし、もしかするんでしょうか。
瞳美の祖父は謎に包まれたまま終わってほしい感もあったりするので、モヤモヤするところです。
星砂の希少度
星砂については5話で希少であることが明かされ、8話では良質な砂浜でも400グラムから3粒しか取れないという具体的な描写がありました。
今回、そうした細かいところで描かれてきたことを綺麗に回収してくれたので、勝手に「おおおおお」ってなってました。
琥珀のノートに星砂は400グラムから3粒取れるって書いてあって、本当に高級品なの笑う
— ばおぺん🐧 (@bao_penguin) 2018年12月3日
それが一瓶100円だもんな、そりゃ売れる
2078年のまほう屋が営業してない(?)感じなのは家庭の事情とか諸々のせいだと思ってたけど違ったんですね
60年の間に長崎の星砂を使い切っt(以下略#色づく世界の明日から
水色の傘とエンディング、8話の意味深な言葉
瞳美は雨の中で水色の傘を差すと6話での葵とのやり取りを思い出すと言っています。「忘れない」とまで宣言しています。
でも、ちょっと待ってくれ。
EDの瞳美、普通のビニール傘してない???
EDがこれからの瞳美を描いているのなら、もしかしたら葵やみんなのことを忘れちゃうのかなーなんて思います。
記憶を失うきっかけとしては、未来に帰る際の弊害あたりがあげられるでしょうか。
一応整理しておくと、時間魔法では物を持って移動できるみたいです(1話で手紙や地図を持って時間を移動した)。
つまり、「EDの瞳美は未来に帰ったあとの瞳美で、記憶もあるが、時間魔法の際に水色の傘は持っていけなかった」なんてことは起こりえないわけです。
散々、魔法にはリスクや代償があることが強調されていますし、瞳美が二度目の時間魔法と引き換えに何かしらの代償を払うとしたら「記憶」である可能性は高いと思います。(一度目の対価はポポッキー=好きなものの象徴と推理)
8話で瞳美が写真を撮るとき言っていた「みんなのこともずっと忘れないように」というセリフもフラグにしか聞こえません。
時間魔法に歴史修正力が働くのなら、18年に来て成長した瞳美から78年の自分の殻に閉じこもっていた瞳美に戻るような力が働かないとおかしいですもんね。
そういう「すべてをリセットする」という意味で瞳美から記憶を奪うのであれば、設定上も筋が通っている気がします。
魔法には代償やコストがある(5話)
— ばおぺん🐧 (@bao_penguin) 2018年11月25日
魔法は人を幸せにするが不幸にもする(6話)
時間魔法のおかげで幸せを知ってしまった瞳美には何か不幸が待ってるんじゃ……とは思う
決められた結果を変えられないのであれば、自分の殻に閉じこもっていた78年の自分に戻ってしまうような何かが#色づく世界の明日から
瞳美は時間魔法の対価を払ってない的なツイートしたけど、一応バスっぽい何かの運転手にポポッキー支払ってるのかあ
— ばおぺん🐧 (@bao_penguin) 2018年11月26日
だとしたら、好きなもの(ポポッキー)を代償に時間魔法を使ってるともいえる
次の時間魔法があるとして、今の瞳美が支払わなければならない好きなものとは……#色づく世界の明日から
なぜ未来の琥珀は瞳美だけでなく琥珀にすらノーヒントだったのか
こういう話になると決まって柚葉が現れて、未来の琥珀は"あえて"そうした理論で二人を慰めるんですが、やっぱり納得できません。
今も瞳美のために苦心している優しい琥珀が答えは自分で導き出せ的な体育会的なことを「あえて」なんて漠然とした理由で言うとは思えないんですよね。
それに1話でも、あくまで言葉では言い表せないといったニュアンスで「行けばわかる」と言っているようでした。
歴史修正力が働くのであれば、過去に行った瞳美が琥珀と協力して答えに辿り着くことは確定しているから言うまでもない、ということなんでしょうか。「決められたこと」という言葉ともなんとなく合致しているような気もします。
ただ、手がかりを与えることが悪いことなのかと言えば、それも違うような気がします。それこそ歴史修正力が働くのだから、いくらヒントを与えてもいいのではとも思えます。
こうなってくると、過去へ行く理由を教えないことに合理性はないというか、なんというか……。
未来の琥珀自身が瞳美が過去へ行かなければならない理由を知らなかった、あるいは教えても仕方ないと考えたのか、という結論に行きついてしまう……。
ここまでつらつら書いておいてアレですけど、全くわからない……。
将の性格
9話放送後はツイッターのタイムラインに「将の告白は周りへの影響を考えてない」って声がいくつか見えましたけど、結果論的に将の取った行動は正しかったと思えるんですよね。
後夜祭が終わると、瞳美が未来に帰る。この事実を琥珀から知らされたとき、真っ先に自分に何ができるかと協力を申し出たのが将でした。
対照的に、そのとき葵は一歩引いてみんなの様子をみているばかり。
真っ先に自分の気持ちを伝えて整理をつけたからこそ、誰よりも前向きに考えられたんじゃないかなーって思います。
実際、自分一人ではどうにもならないと悩んでいた琥珀は救われたんじゃないでしょうか。
星砂の量
どうして二回目に砂浜へ訪れたときは星砂の量が増えていたんでしょう。
琥珀は台風がきた影響だと言っていましたが、それにしてはすごい量増えてない? って感じがします。
柚葉が言ってたように瞳美を助けたい人たちと一緒だったから、自然と琥珀の魔力が増加したのかなーとかも思いますし、陰から瞳美が見ていたから、一柳が言っていたように自然と魔力を補いあったのかなーとも思います。
紙飛行機のシーン
ほんとこのシーン良かった!!!!!!!!!!!!
二人とも走り方がダサいのがまたグッとくる。
セリフ全然ないのに頭痛くなるくらい泣いたの初めてです。