『色づく世界の明日から』を振り返る 第7話!
第7話の振り返り
あらすじ
『ヴィーナスの重荷』
唯翔とぎくしゃくしてしまい気分が晴れない瞳美だが、学校は夏休みに突入。魔法写真美術部一同は、毎年恒例のキャンプ合宿に向け準備が始まる。
一方、来年に受験を控える胡桃は、模試で思ったような結果が出せず、悶々とした日々。パティシエとして働く姉・苺花から「好きなことをやりなよ」とアドバイスを受けるが、かえって悩んでしまい……。
(色づく世界の明日から 公式サイトより抜粋)
ストーリー
シーン① 魔法の星占い
色が戻ったのは一時的なものでまた色が見えない状態に戻ってしまった瞳美。
琥珀は星砂時計に関する書物を読みながら、瞳美に色が戻った心当たりがないかを尋ねる。
自分でもわからないと肩を落とす瞳美を、琥珀は魔法の星占いで励ます。
琥珀「今を楽しく受け入れましょう。そうすれば、色づく世界があなたを待っています」
根拠のない自信で言い切る琥珀に、瞳美は笑みをこぼす。
シーン② 合宿についてのミーティング
ミーティング前、国立大の模試の結果が良くなかったと落ち込む胡桃。千草はそんな胡桃をからかう。
ミーティングの議題は恒例のキャンプ合宿の実施に伴って、幹事を務める次期部長を決めるというもの。
将 「あさぎ、頼めるか」
将の中では既に次期部長はあさぎで固いよう。あさぎは突然の決定に戸惑うが、瞳美がその背中を押す。瞳美は次期副部長に。
千草はキャンプに撮影会を兼ねたいと申し出る。
シーン③ 色が知りたくなった瞳美
タブレットを使って、去年の合宿の楽しげな様子を共有してもらう瞳美。
瞳美「これ青空?それとも夕焼け?」
琥珀「夕焼け、綺麗な茜色」
瞳美「おかしいよね。少し前までは色がないのが普通で、空が何色かなんて気にしたこともなかったのに、今はどんな風に見えてるのか知りたい」
琥珀「みんなにきいてみたら?」
瞳美「今更なんていえばいいのかな、色が見えないことずっと隠してたのに」
「もっと早く話しておけばよかった」
琥珀「うつむいてるだけじゃ何も変わらないよ。大事なのはこれからだから」
シーン④ 自慢の姉
タブレットの向こう側では、次期部長・次期副部長のあいさつが書き込まれるグループトークを見て、にっこり笑う胡桃。
広場で一人勉強する胡桃の下に、千草が出前のコーヒーを届けに来る。胡桃は迎えが来るまで勉強に励むというのだが、その顔はどこか浮かない。
千草は出前の帰り、胡桃によく似ている女性とすれ違う。振り返ってみると、その女性は胡桃の姉・川合苺花で胡桃を迎えに来たという話が聞こえてくる。
帰りの苺花の車内では、苺花の学生時代の話に。
学生時代の苺花は夢を叶えるために周囲を説得、ひたむきに努力を重ねていた。
その結果、パティシエになるという夢を実現し、今では休みの日でも仕事のために時間を使うなど楽しげに過ごしている。
胡桃はそんな苺花を誇らしげな顔で見つめる。
苺花「でも、楽しいんだよね。好きなことやって、喜んでくれる人がいて、それだけで頑張れるもん」
「胡桃も好きなことやりなよ」
苺花の優しい言葉を受け、胡桃はカメラに視線を落とす。そのカメラは新入生に初心者向けだと紹介したカメラだった。
シーン⑤ 胡桃の劣等感
張り切る次期部長と次期副部長の下、テントの設営を終えた一同は早くもバーベキューにとりかかる。
炊事場は千草が担当し、そのサポートを心ここにあらずといった感じの胡桃がしている。話の流れは苺花のことに。
話題のケーキ屋で働き、その上実力が認められている姉のことを話す胡桃。
胡桃「ほんとすごいよ。昔からなんでもできて、今の時期にはもう将来も考えてて、夢ちゃんと叶えて、憧れちゃう」
千草「自慢のお姉さんなんだ」
苺花に写真のモデルを頼めないかと軽口を叩く千草。条件反射のように断る胡桃に、千草は「しょうがないから」と胡桃にカメラを向ける。
千草「よく見たら、似てるような似てないような」
胡桃「似てないよ、全然。お姉ちゃんと違って、私は何もないから」
シーン⑥ 千草の作品
長崎港を出航する豪華客船を橋の上から撮影したいと話す千草。
被写体が女性ではないことに琥珀は驚きを隠せないが、千草は続けざまに「橋から恋人を見送る女の子」という設定で撮りたいのだという。
琥珀・瞳美・あさぎに続けてモデルを断られた千草は、何の反応も示さなかった胡桃にその女の子役をやってほしいと頼み込む。
しつこく頼む千草に胡桃はらしくない断り方をしてしまう。
空気が悪くなったことに慌て、いつもの自分を演じる胡桃。その胡桃の横顔を瞳美は心配そうに見ている。
シーン⑦ 三年生の進路
海岸で一人、カメラのフォルダを眺める胡桃。部員の横顔ばかりが流れていく。
そこに胡桃を気にかけた瞳美がやってくる。話は進路の話に。
カメラ好きの将は美大の写真学科に、葵は就職希望を取り下げ国立志望に変えたということを聞く。葵は今まで以上に絵に打ち込んでいるらしい。
胡桃「二人ともなんかお姉ちゃんと同じ顔してる」
瞳美「お姉ちゃんですか」
胡桃「うん、私の憧れ」
一方で、葵は合宿に来ても絵を描いていた。そこに将がやってくる。
話は今描いている絵、将の受験用の作品、葵の進学について。
葵 「国立なら学費も自分である程度何とかできるし」
「絵もちゃんとやってみようと思って。見てくれるやついるから」
将 「じゃあ、先に良い作品作ったほうが勝ちな」
シーン⑧ 趣味で続ける程度の好き
瞳美と胡桃は身内に尊敬できる人間がいる者同士、会話が盛り上がる。
胡桃「好きだから、夢だからって、それだけでどんどん前に進んでいけるんだよね」
「そういうの羨ましい」
「いいよね、本気になれるって」
「私にはそこまで好きになれるものってないから」
瞳美「写真は? 好きじゃないんですか?」
胡桃「好きだよ。でも、山吹みたいに詳しくないし、千草より撮るの下手だし、私のは趣味で続ける程度の好きだよ」
「やりたいことないんだ、私」
胡桃はみんなには内緒だというが、千草は少し離れた草原から全てを聞いていた。
シーン⑨ 葵の新作の絵
将から部長レクチャーを受けるあさぎ。
将 「そんなに構えなくても、お前なら大丈夫だよ」
肩肘を張って真剣にメモを撮るあさぎに、将は優しい声をかける。あさぎはその優しさに頬を染めるが、すぐに元の表情に戻す。
千草は胡桃の話を聞いた場所でスマホの写真を眺めていた。
砂浜では「思い出を閉じ込める魔法」を作ったという琥珀から、瞳美は一つもらう。
琥珀「いつかまたみんなでこの星砂を使って、今日のことを鮮明に思い出せるように」
その言葉を聞いて、瞳美は自分ももっと魔法を使えれば胡桃の力になれたのではないかと考える。
ぼんやりと星砂を眺めていると、そこに葵が現れる。
葵は新しい絵ができたといって、瞳美にタブレットを渡す。
そこに描かれていたのは帆を張るヨットに手を伸ばしている絵。瞳美に色を思い出させるため、たくさんの色や瞳美の身の回りの物が描かれている。
葵 「月白のおかげだ。魔法効いた」
シーン⑩ 魔法の星占い
一人海を眺める胡桃の元にやってきて、星占いを勧める瞳美。
瞳美「今を楽しく受け入れて。そうすれば、色づく世界があなたを待っています」
琥珀の受け売りで胡桃を励ます瞳美。
シーン⑪ 豪華客船と夜景
豪華客船の撮影に向かう際、千草は自分のスマホを胡桃に見せる。
千草「ね、胡桃先輩。自分の写真見たことある?」
「どれもいい表情してるでしょ」
「何もなくてもいいんじゃない。こんだけいい顔できるんだから」
いつもからかってばかりの千草とは思えない言葉に驚く胡桃。
そのタイミングで豪華客船の汽笛が聞こえてくる。見やると出航を始めたところ。それを写真に収めたいと考えていた千草は荷物を抱えたまま橋の方へと急ぐが、そのままでは間に合わない。
葵 「これもう間に合わないんじゃ」
千草「いや、走ればいけますって」
胡桃「はあ? 荷物あるし」
千草「そんなもん置いてけー!」
走り出す千草、それを追いかける琥珀と瞳美。ためらう胡桃だが、千草に呼ばれて駆け出す。
千草「好きの度合いなんてみんな違うし、他にもっと好きなものできるかもしれないし、そんなの今すぐ決めつけなくてもいいじゃん」
「焦んなくても大丈夫っすよ、先輩なら」
盗み聞きされていたことを咎めるが、その胡桃の顔は晴れている。
胡桃「でも、私も撮るよ。千草よりいい写真撮る。今は写真が一番だから」
結局、豪華客船は行き去ってしまう。そのぐだぐだ加減に笑みをこぼす瞳美。
その場には夜景しか残っていない。
その夜景を部員の横顔ばかり撮っていた胡桃はシャッターに収める。
そして、夜景の色がわからない瞳美は琥珀に背中を押されるでもなく打ち明ける。
瞳美「その夜景、みなさんには今どんな風に見えてるんですか?」
登場する魔法
琥珀の星占い
琥珀が瞳美を励ますために使った魔法。占い自体に根拠はない(?)。それに力をもらった瞳美は悩める胡桃を同じように励ます。
思い出を閉じ込める魔法
琥珀が海岸で作っていたもの。「いつかまたみんなでこの星砂を使って、今日のことを鮮明に思い出せるように」と人数分製作している。
第7話の感想や考察
胡桃回
キラキラした周りの人間と比較してしまう。8000万人くらいは胡桃に共感できるんじゃないでしょうか。
好きなことをしたらいいと応援してくれる姉の言葉でさえ、好きなことに自信を持てていないならしんどいですよね。
別に同級生だけじゃなくても、未来からやってきて奮闘する瞳美、魔法の才能がある琥珀、次期部長に決まりポストカード作りにも精力的なあさぎ、しっかり写真のテーマを持っていてセンスもある千草、部員の誰と比較しても胡桃的にはしんどいだろうなと。
でも、胡桃の姉だって、キラキラしているように見えても、ただ真っすぐにきたわけじゃないんですよね。いくら高校生のときには将来を見据えていたと言っても、留学を決め実行に移したのは進学してからでしょうし。
それに姉と似ているといった葵だって、つい最近まで絵が描けないくらいまで落ちていたわけで……。結局きっかけがあるかないかなんでしょうね。
そのきっかけを与えたのが千草、って考えたら鳥肌。
すぐに色が見えない状態に戻った理由
瞳美「いつからだろう、花火を楽しめなくなったのは」
「母と一緒に見た花火は、赤、青、黄、緑、オレンジ、全てが美しかったのに」
「私は大きくなって、大事な人は遠く離れて」
「いつの間にか、世界は色を失っていた」
1話の瞳美のセリフです。
文脈的に大事な人(=母親?)と離れ離れになったせいで色が見えなくなったように思えます。
逆に言えば、大事な人が見つけることが瞳美に色を取り戻す条件かもしれません。
だとしたら、6話のあのオチは瞳美が葵のことを無意識に大事な人だと思ったってことなのかもしれません。
でも、1話で言った大事な人については何一つ解決していないから、色が見えない状態に戻った。
葵の絵
葵の新作は瞳美にたくさんの色を思い出させるものでした。
その中央に描かれていた、帆を張るヨット(?)に向かって伸ばされた手が気になったので自分なりに調べてみました。
占いにおいて、風を受けるヨットは人間関係における運気上昇や積極性を象徴しているらしいです。また、「夢」も表しているらしいです。
つまり、あの絵は瞳美に対して前向きになった葵と、葵が夢に向かって手を伸ばし始めたという解釈ができるでしょうか。
今回、葵は進学希望に変え、見てくれる人のために絵を頑張るとも言っていますしね。うん、青春!
「月白のおかげだ。魔法効いた」
初見時は、瞳美が渡した星砂が絵に効いたということだと思っていました。
でも、よく考えてみると、5話の最後に星砂を使って6話ではまだスランプに悩んでいるんですよね。
そこで「"星砂"効いた」じゃなくて「"魔法"効いた」だったことに注目。6話から7話の間に、瞳美が葵に使った魔法と言えば「絵に入る魔法」です。
すごく個人的な感想になりますが、「絵に入る魔法のおかげで新作を描けた」という意味なら納得できます。
オタク特有くそなが殴り書き第2弾
— ばおぺん🐧 (@bao_penguin) 2018年11月29日
6話の絵の中の世界と金色のサカナと葵の機嫌を損ねた理由についてあーだこーだ考えてたら、もしかして瞳美さんって未来変えられます?って思い始めた編#色づく世界の明日から #iroduku pic.twitter.com/lbXQ1U4yZO
……実際はサプリ程度の効果しかなかったけど、星砂を作ってくれた思いやりが嬉しかったって解釈もできるし、なんならそっちのほうが微笑ましいなと思うんですけどね!