『色づく世界の明日から』を振り返る 第4話!
第4話の振り返り
あらすじ
『おばあちゃんはヤメテ!』
琥珀が留学から帰ってきた。さっそくクラスで見事な魔法を披露し、さらには写真美術部のメンバーともすぐに馴染んでしまう琥珀。自分とは正反対な祖母の姿に、瞳美は圧倒される。一方、写真美術部は次の文化祭で、絵と写真を組み合わせた作品集を発表することに。その最初の活動として、夜景の撮影を行うことになり、瞳美たちは夜の学校へ向かう。だがそこは、普段と少し違った雰囲気で……。
(色づく世界の明日から 公式サイトより抜粋)
ストーリー
シーン① 2018年の琥珀
港に一隻の大型船がやってくる。……その後ろからやってくる小型漁船に琥珀の姿はあった。
元気よく瑠璃に抱きつく琥珀を桟橋の離れたところから眺める瞳美。
琥珀「あなたが私のお孫ちゃん?」
そっと抱擁してくる琥珀に、瞳美は2078年の琥珀の姿を思い出す。
シーン② 魔法を披露するも、始末書案件になる琥珀
琥珀と一緒に登校する瞳美。琥珀が帰ってきたことはすでに噂になっているようで、周囲の視線は琥珀に注がれる。一緒にいる瞳美は恥じらいを覚えながら琥珀の後ろを歩くが、当の琥珀は周囲の視線など気にならないよう。
クラスに着くなり話題の中心をさらう琥珀。瞳美は自分とは正反対の琥珀を自分の席からぼんやりと眺める。
琥珀「留学先で教わったのよ。大きな力をむやみに使ってはいけないって」
「魔法は人の幸福のためにだけ行使を許されるものである」
留学先での教訓を口にしつつも、クラスメートに乗せられて魔法を披露することになった琥珀。琥珀は助手に瞳美を指名する。
琥珀はまず瞳美に留学先の写真を持たせ、それから魔法を唱えると、教室に写真と同じ風景が再現される。
口を揃えて琥珀を褒めるクラスメート。瞳美も、
瞳美「すごい、私と全然違う」
次の瞬間、再現された風景に列車が汽笛を鳴らして突っ込んでくる。教室はススまみれになり、琥珀は早くも始末書を書かされることに。
屋上で制服に付いたススを払う瞳美たち。
あさ「私は可愛い魔法も大好きですよ。魔法が使えるなんてちょっぴり羨ましいです」
琥珀レベルの魔法を初めて見たという瞳美に、魔法が使えるだけでもすごいと励ますあさぎ。瞳美はその優しさに申し訳なさそうな顔をする。
シーン③ 文化祭の出し物決め
葵や千草のバイト先でミーティングに集まる写真美術部。千草はオフのよう。
瞳美が写真美術部に所属していることを知った琥珀は、その活動を見学しにやってくる。
全員揃ったタイミングでメニューを持ってくる葵。瞳美は葵を意識する。みんな同じものを注文していく流れの中、琥珀だけは別の品をオーダーする。
ミーティングの議題は文化祭の出し物について。将の中ではすでに案があるようで、部員それぞれの作品を持ち寄った作品集の制作を提案する。異論を唱える者はおらず、むしろ千草などは一人ずつ順番に遠征撮影会を行いたいなど内容を深めていく。
将 「見慣れたものでも写真にすることで新しい発見があるかもしれないだろ」
「モノクロフィルムで撮ると照明の色も全部白になるから、華やかさが消えて別の世界が見えてくるんだ」
あさぎにどんなテーマで撮ってみたいか聞かれた将は、モノクロフィルムで夜景を撮ることについて熱弁する。
同じくモノクロを扱いたい瞳美は将の話に黙って耳を傾けるが、胡桃やあさぎは自分らしさに欠ける写真になるのではないかという。テーマ決めどころか写真を始めたばかりの瞳美はハードルの高さを知り視線を下に落とす。
葵 「まあまあ。写真部なんだから、シャッター押すことから始めてもいいんじゃない?」
そんな瞳美の気持ちを知ってか、勘定を持って現れた葵はとにかく活動してみることを提案する。
そこで将は第一回として学校の屋上から夜景を撮影することに決定する。
その撮影会に参加したいという琥珀と、そのコミュニケーション能力に感心する瞳美。
シーン④ ミーティング終わり
風野写真館では、瞳美はあさぎから課外活動に持ち出せるカメラを借り、将からモノクロの撮り方を教わる。
葵の自宅では、葵の希望進路調査書を見つけた遙が進路について問う。葵は就職を希望しており、遙は美大に進む気はないのかを尋ねるが、葵はそれを「画家になりたいわけじゃないから」と受け流す。
瞳美や琥珀の自宅では、瞳美が琥珀に先のことが分からない不安や色が見えないことを打ち明ける。
魔法は得意じゃないとこぼす瞳美に、琥珀は教室で列車を再現したのは他ならぬ瞳美で秘めた力を持っているはずだと励ます。
シーン⑤ 第一回 撮影会へ向かう一同
夜特有の雰囲気ある校舎に入ると、琥珀や千草が旧校舎時代には屋上に幽霊が出たという噂を始める。
千草「昔、行方不明になって霊になった女子高生が自分の居場所を伝えようとしてるんだとか」
千草の話を盛り上げるように演出する琥珀の魔法に怖気づいた胡桃は屋上に行くことを拒否し、千草と下に残ることになる。
屋上に着いた一同からは、校舎の入口で座り込む二人の様子がうかがえる。
カメラの扱いに不安な気持ちを漏らす瞳美。将はそんな瞳美に付きっきりで面倒を見る。あさぎはそんな将を複雑な面持ちで見る。琥珀はそんなあさぎに手に持っていたポポッキーを勧める。
次第に、月白姓が二人いると男性陣は呼び分けが難しいという話になっていき、あさぎの提案の下、将は顔を赤らめながら二人を名前呼びしてみることに。
葵 「琥珀と月白さん」
「区別が付けばいいんだろ」
ところが、葵は瞳美のことは呼び方を変えない。瞳美は浮かない顔。
シーン⑥ 未来から来たことを打ち明ける瞳美
将 「題して、"天の星座と地の星座"」
将は今回の目的は星空と街の夜景を合わせて撮ることだという。
瞳美もお題に合わせてカメラを構える。
葵 「雰囲気あるよね、モノクロって」
「モノクロ写真って水墨画と同じで色彩がない分、見ている人のイメージが広がるような気がする」
「色が少ない方が大事なものがよくわかるのかもしれない」
普段たくさんの色を使う葵は瞳美の撮った写真を覗き込みながら、そんなことを言う。
瞳美「あの、新しい絵、楽しみにしてます」
それを聞いて、「うん」とだけいって遠い目をする葵。
そこで何やら騒がしく胡桃と千草が屋上に逃げ込んでくる。二人は幽霊が出たというのだが、それは琥珀の魔法を使ったいたずらだった。
瞳美「おばあちゃん。やりすぎじゃない、魔法のいたずらなんて?」
琥珀「どうして?」
瞳美「好き勝手に魔法を使っちゃいけないって」
琥珀「みんなが楽しくなるならいいんじゃない?」
「私はみんなの笑顔が見たいの。魔法でたくさんの幸せな笑顔を届けたい。せっかく神様から授かった力だもの。世界にお返ししなきゃね」
瞳美「私はそんな風にできない」
「魔法は好きじゃないし」
琥珀「きっといつか好きになれる」
「だって、瞳美は私の孫でしょ」
このやり取りがきっかけで瞳美と琥珀の関係を疑われてしまう。
この際だからと打ち明けることを提案する琥珀だが、瞳美はその一歩をなかなか踏み出せない。
琥珀「怖がらなくていい。大丈夫、きっと受け止めてくれる」
琥珀はそんな瞳美を優しく抱きしめ、背中を押す。
瞳美「私、未来から来たんです」
胡桃たちはその場で受け止めるが、葵だけはまたどこか遠くを見ている。
シーン⑦ ささやかな魔法
あさ「私、魔法ってもっとこう、可愛らしいものなのかなって思ってました。魔法屋さんの星砂みたいに」
琥珀「魔法は人をちょっとだけ幸せにするために使うものだからね」
「ま、大して役に立たないものが多いのは確かだけど」
「ささやかなくらいでちょうどいいのよ」
その言葉通り、みんなでカメラに収めるため、瞳美と琥珀は協力して葵の描いた列車を夜空に走らせる。
瞳美「良かった。どう思われるかなって、ずっと言えなかったから」
あさ「瞳美ちゃんは瞳美ちゃんです」
一つ打ち明けることができた瞳美はあさぎの優しさを受け入れる。
琥珀「呼び捨てできないとか、小学生みたい」
「誤解するかも、瞳美みたいな子は」
葵 「いつか帰るの?」
琥珀「わかんない、まだ」
シーン⑧ 再び現れた金色のサカナ
後日、列車が走る星空と夜景の写真でポスターを作る写真美術部。
作品集に載せる絵を将に見せる葵。瞳美がふと見やると、そこには描かれていない金色のサカナがどこからか泳いできて跳ねる。
琥珀「決めた。私も一人魔法部としてこの部に入る」
瞳美は突如入部希望を申し出た琥珀に注意を奪われる。再び葵の絵に視線を戻すと、金色のサカナは置かれたタブレットの上を泳ぎ星空を潜っていく。
登場する魔法
風景を再現する魔法
琥珀がクラスメートの前で披露した魔法。このとき琥珀の魔法に感化された瞳美が無意識下で干渉した。屋上での撮影会では、琥珀は瞳美と二人で葵の描いた絵を夜空に走らせた。
琥珀が胡桃と千草を驚かすために使った魔法
琥珀は布を宙に浮かせ、二人が屋上に集まるように驚かし誘導した。
第4話の感想や考察
瞳美の魔法
やはりというかなんというか、瞳美は自分で無意識に押さえつけているだけで普通に魔法を使えるみたいです。「好き勝手に魔法を使っちゃいけない」と考える瞳美と「やりすぎちゃう」琥珀の対比が面白いですね。
喫茶店あるある(?)
葵や千草のバイト先でミーティングするシーン。最初に胡桃が注文して、あさぎと瞳美が右にならえで同じ注文、最後に琥珀は全く別のものを注文。
このシーン、何気ない一コマですけど、それぞれの性格がでていて「あー、わかる!」ってなるシーンでした。めっちゃ好きです。
屋上組と屋上いかない組
初めて見たときから、なんで結局屋上に集合するのに、二組にわけたのか謎でした。
P.A.は30分をどれだけ有効に使えるかを大事にしていると何かの記事で見ていたので尚更。
一時は「自分の居場所を伝えようとしている」という幽霊が実は幽霊ではなく、時間魔法をミスして時の狭間に閉じ込められた何者かで、瞳美はそれを助けるために未来からやってきたのではないかとオカルトじみたことも考えました。
でも、今では自分なりに答えがでていて、ツイッターに投稿しているのでそちらを。
4話
— ばおぺん🐧 (@bao_penguin) 2018年11月28日
いつも脚本に無駄のないP.A.が、最終的に屋上に集合するのに屋上行かない組を作った理由がずーーっとわかりませんでした
でも、セルフ再放送したらなんとなく掴めました
オタク特有くそなが殴り書きだ〜〜!#色づく世界の明日から#iroduku pic.twitter.com/eYtlu3yExE
葵の「月白」呼び
前の記事でも書きましたが、葵は必要以上に他人に踏み込まないようにしているんだと思います。
特に葵にとって瞳美は自分の絵を喜んでくれる存在なわけで。
そういう人間に依存しないように自分から一歩引く言動に見えるんですよね。
瞳美が未来から来たことを告白したあと、葵は琥珀に「いつか帰るの?」と尋ねています。琥珀の返答次第では、自分の絵を喜んでくれる瞳美と必要以上に仲良くなってはいけないと戒めるために聞いたように見えてしまいます。
琥珀は「わかんない、まだ」と返すわけですけど……。
葵のセリフ
葵 「モノクロ写真って水墨画と同じで色彩がない分、見ている人のイメージが広がるような気がする」
「色が少ない方が大事なものがよくわかるのかもしれない」
色を多く使う葵が言うと、自己肯定感の低さの表れに思えますよね。色を多く使う葵は今大事なものを見失っていて、なんのために絵を描いているかわからない。
母の遙に進路について聞かれたとき「画家になりたいわけじゃない」と言っていますが、本音半分嘘半分で、ここにも自己肯定感の低さが影響しているのかもしれませんね。
もちろん瞳美はそんな葵の絵が好きなわけで、次の絵が楽しみだというわけですが、やっぱり葵の顔は晴れません。まるで「なんで自分なんだ」とでも言いたげな感じ。