お肉の貯蔵庫

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『色づく世界の明日から 第9話』感想(ネタバレ)!

 第9話 まとめ

あらすじ

 写真の腕を上げるため、部長の将にアドバイスを求めた瞳美。ふたりは次の休日、一緒に撮影に出かける約束を交わす。そうしてやってきた約束の日。カメラを手にし、各地に足を運ぶ瞳美と将。充実した一日を過ごしたふたりだが、その帰り際、緊張しながらも将が瞳美を呼び止める。

色づく世界の明日から 公式サイトより抜粋)

 

 

注目キャラ

山吹将

 写真について語りだすと、熱中しすぎて周囲を引かせてしまうことがある。将本人は新入生を獲得できなかったのはそのせいではないかと落胆するが、瞳美は自分の好きなことに真剣な将を尊敬している。

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風野あさぎ

 瞳美のことをよく気にかけている。幼馴染の将のことを好きでいるが、告白は気持ちの押し付けのようだと考え、気持ちを打ち明けるくらいなら「今のままでいい」と語っている。

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ストーリー本編

シーン① 写真

 瞳美は街のおすすめスポットはないかと将に相談する。将は街を全て撮りたいという瞳美を撮影スポット巡りに誘うが、目の端に映る瞳美と葵の写真がどこか気がかりな様子。

 その頃、あさぎは撮影会で撮った写真の仕上げを行っていた。その中には瞳美を見ている将の写真があった。

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シーン② 予備校に向かう葵と将

 予備校に向かうため電車を待つ葵と将。将は後輩たちに負けていられないと、そんなときでさえカメラを離さない。

葵 「瞳美も結構いいの撮るようになったしね」 

 自分から瞳美の話題を出す葵。

  「あいつ、最近よく笑うようになった」

将 「クラスでもちょっと話題になってるって、あさぎが言ってた」

  「最初は人形か、ってくらい静かだったのにな」

葵 「今のほうが瞳美っぽいのかもね、本当は」

 電車が来ると、将は瞳美と二人で出かけることになったことを葵に話す。

葵 「なんで俺に言うの?」

将 「言わなきゃいけない気がしてさ」

葵 「意味わかんないんだけど」

将 「俺さ、悩んだり迷ったりって好きじゃないんだ」

  「もうすぐ引退だし受験もあるし、あんま時間ないから後悔だけはしたくない」

 ただ二人で撮影に行くだけではないと気付いた葵は「頑張れよ」と一言。その顔は暗い。

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シーン③ 瞳美とうさぎ

 まほう屋の掃除をしながら、将と出かけることを琥珀に話す瞳美。

瞳美「撮影スポットとか撮り方とか教えてくれるって。特訓みたいな感じ」

 それを聞いた琥珀は何かを察するが、瞳美には自覚がない。

 そのときまほう屋に置いてあるポストカードの被写体は、泣いているようにも見えるうさぎだった。

シーン④ 将と葵

 コンビニの印刷機を使う将の元に瞳美からメッセージが届く。それは撮影スポット巡りを「楽しみにしています」というものだった。

 将は「俺も」と打ちかけた後、先輩らしいメッセージに直して返信する。

 一方で、葵の自宅では、遥が瞳美と葵の関係を探っていた。取り繕う葵に、遙は葵は父親に似て奥手なところがあるからと忠告する。

シーン⑤ 初対面の思い出

 撮影スポット巡り当日。将はコンビニで印刷していたものを瞳美に手渡す。この日回り切れないスポットまで全て記した地図だった。

 将はその地図を眺める瞳美を見て、初めて出会った頃を回顧する。 当時、誰にも頼れず、まほう屋までの道のりに迷っていた瞳美に声をかけたのは将だった。瞳美はその感謝を改めて伝える。

 そんな二人の様子を偶然見ていた胡桃と千草はあさぎを気使い他言無用を誓いあう。

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シーン⑥ 将のおすすめスポット

 観光スポットとは別に、自分のおすすめスポットに瞳美を案内する将。瞳美は最後に撮った写真を「イメージ通り撮れた気がします」といい、満足げな表情を浮かべる。

 つい熱中して教え過ぎたという将に、瞳美は部活体験イベントでもそういうことがあったと思い返す。将はそのせいで新入生に敬遠されたと反省するが、瞳美は将の写真にひたむきな姿勢を尊敬していると伝える。

 将もまた、悩みや葛藤を抱えながらも泣き言を言わず頑張る瞳美の姿が素敵だという。だが、瞳美は自分が変われたのはみんなと出会うきっかけを作ってくれた将や背中を押してくれた琥珀のおかげだと逆に感謝する。

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シーン⑦ 将の告白

将 「本気で言ってる。俺と付き合ってほしい」

 帰りの路面電車の前、将は瞳美に気持ちを打ち明ける。

 瞳美はその場から逃げるように走り出す。

瞳美「急に言われても、そんなのわからない」

 逃げ込んだエレベーターの中、途中で転び傷だらけになった自分の体を抱いて、こぼすように呟く瞳美。

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シーン⑧ 琥珀に相談する瞳美

 琥珀はその後の二人の様子から、おおよその事情を察知する。

瞳美「また逃げちゃった」

琥珀「将さんびっくりしてたよ」

瞳美「あのね、例えばの話だけど、琥珀は誰かに好きって言われたことある?」 

琥珀「はい、きた。やっぱそういう話か」

瞳美「でも琥珀は付き合う気がなくて、でもその人のことは尊敬してて傷つけたくなくて」

琥珀「うん」

瞳美「どうすればいい?」

シーン⑨ 100,080円になります

葵 「100,080円になります」

 バイト中、千草からどうやら瞳美に何かあったことを聞いた葵。気丈に振る舞うが、らしくない会計ミスをしてしまう。

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シーン⑩ 相談の続き

 部活を休んだ瞳美と琥珀の下校中。

琥珀「私もさ、別に告白とかしたことないからわからないけど、どうしたって断られたら傷付くよ」

  「それでもちゃんと答えはほしいんだと思う」

瞳美「答えって何?」

琥珀「瞳美がその人のことどう思ってるのか、どうして気持ちに応えられないのか」

  「それは瞳美が自分で考えて答えなきゃ」

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シーン⑪ 将の新作

 暗室の壁に写真を貼っていく将。そこに作品集に載せる写真選びに迷っているというあさぎが訪れる。

将 「写真ってさ、同じものは撮れないんだよ。夜景もいろんな人が生活してて、昨日まで点いてた明かりが今日は消えてて、気付いたらもう二度と見られない景色に変わってて」 

 あさぎはその将の様子を見て、何かあったことを悟る。

シーン⑫ 瞳美とあさぎ

 放課後、瞳美の様子がおかしいことに気付いていたあさぎは声をかける。

瞳美「あさぎちゃんは好きな人とかいる? 告白とかされたことある?」

 あさぎは「え?」と戸惑うが、瞳美の持つカメラに将の新作と同じ構図の写真が表示されているのを見て全てを理解する。

あさ「いますよ。ずっと前から好きな人です」

  「いつもその人のことばかり考えています」

  「今何してるんだろうとか、この場所あの人好きそうだなとか考えているうちに一日が終わっちゃったり」

  「向こうは全然こっちの気持ちなんて気付いてないですし、怖くて告白なんてできないけど、ずっと好きなんです」

  「瞳美ちゃんはその人のことどう思ってるんですか?」

瞳美「わからない、そういうの考えたことないから」

  「私には好きになってもらう資格も好きになる資格もないから」

あさ「ダメですよ、考えなきゃ。その人が可哀想だから」

 その日の夜、瞳美は葵の家の方を見て、自分の気持ちについて考える。

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シーン⑬ 瞳美の返事

瞳美「ごめんなさい」

 屋上に将を呼び出し、頭を下げる瞳美。

  「あの、最初は戸惑ったけど、嬉しかったです。好きって言ってもらえて」

  「私、今まで誰かに必要とされてるって思ったことなくて」

将 「うん」

瞳美「たくさん考えました。まだ上手く言えないけど」

将 「うん」

瞳美「私、ずるいんです。先輩のこと傷つけたくないって言い訳して、先輩の気持ちちゃんと考えられなくて、自分のことばかり悩んで」

  「なのに、大事なことから目を逸らしてばかりで」

将 「うん」

瞳美「私、私」

将 「いいよ、覚悟できてるから」

瞳美「まだこの気持ちが本物かどうかわからないですけど、気になる人がいます」 

将 「そっか。ありがとう、ちゃんと言ってくれて。おかげで吹っ切れる」

  「頑張れよ、応援してるから」

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シーン⑭ おたけび

 瞳美が去った後の屋上。そのまま仰向けに寝転がる将の元に葵がやってくる。

 フラれたことを話す将。

葵 「すごいな、お前」

将 「嫌味かよ」

葵 「違うよ、本当に」

  将は吹奏楽部の音色を掻き消すほどの雄たけびを上げる。

将 「すっきりした」

葵 「本当すごいな、お前」

将 「だろ」

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シーン⑮ あさぎの気持ちを知る瞳美

 あさぎを探す瞳美。琥珀から部活を休んだことを聞き、校舎口であさぎを見つける。

瞳美「あさぎちゃん。良かった、間に合って」

  「あのね――」

あさ「私ね、好きだったんです、将くんのこと」

 あさぎの気持ちを知り、言葉を失う瞳美。その場から走り去り、「ごめんね」と涙するあさぎ。

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 第9話 感想

100%群像劇??

 ほんとによかった~~!!!!!

 今までは何やらいろいろ魔法要素がストーリーに関わっていて、謎が解けたり深まったりして、その横で群像劇が行われているという印象でした。

 ところが、今回は魔法に関する描写はほとんどなくて、それぞれの想いが弾けた回でした。

 唯一魔法に関する描写として、琥珀が星砂を作るシーンがありましたが、まほう屋の商品作りを任されるようになったということだと考えています。

 

将の悩みや迷い

 瞳美に気があるように見えて実はあさぎのことが好きだった――

 的な凪あすのまなかパターンもわりと考えていた僕としては、今回の話は「あー!」という感じで観てました。「やっぱりかー!」よりも先に出てくる形にならない叫び。

 閑話休題

将 「俺さ、悩んだり迷ったりって好きじゃないんだ」

 すごい葛藤があったんじゃないでしょうか。8話では瞳美が未来に帰るのが寂しくないかを何度も何度も葵に聞いています。そのとき葵は「しょうがない」の一点張りでした。

 そして今回。予備校に向かうとき、「"後輩たち"も腕を上げてきた」といっただけの将に、葵は「"瞳美"も結構いいの撮るようになった」と言います。

 自分から瞳美の話をするようになった葵の変化に驚きつつも、将は言外に「瞳美に告白する」と伝える。

 もし、このシーンや8話で葵の気持ちを引き出すことに成功していたら、将はどうしていたんでしょうか……。

 

あさぎの優しさ

 今回、あさぎの疑念が確信以上になって突き返された回でもありました。

 熱心に瞳美を部活に勧誘する姿(3話)、瞳美にカメラを教える姿(4話)、瞳美を見て頑張ろうと思えたと語る姿(5話)、瞳美をまほう屋に送り届ける姿(6話)、いろんな将を見てきたあさぎ。

 今までは確信めいたものはなかったんでしょうけど、今回の将の様子や瞳美の悩みから、聞かされなくても全てがわかってしまう。

 これまでもあさぎは瞳美が言わずとも瞳美の機微によく気付いてきましたが、その洞察力がここで発揮されてしまうという……。つらいですね。

 しかも、そのきっかけが昔自分が将と撮って回ったスポットの写真なら尚更。

 将は当時の自分の趣味に付き合えたのはあさぎだけだったと言っていますが、そうだとしたら、あさぎにとっても思い出の場所だったはず。本当につらい。

瞳美「私には好きになってもらう資格も好きになる資格もないから」

 おそらく瞳美はあさぎの語る「好き」を聞いて、今の自分にそれがないことに気付いてこの言葉をいったんだと思います。でも、自分のこと以上に将が大事なあさぎにとっては見過ごせなかったんでしょうね。健気すぎるよぉ。

 ラスト。瞳美が将をフったことまで察して、瞳美に気持ちを吐露してしまうシーン。瞳美の前から逃げ出したあと一人で泣きながら「ごめんね」って、この状況でもまだ瞳美の負担になるようなことを言って申し訳ないと思ってるんでしょうか……。優しすぎるよぉ。

   

葵の言った「すごいな、お前」の意味

 すごく個人的にですが、葵は他人に深く踏み込まないようにしているんだと思います。

 葵の家庭は母子家庭で、理由はまだはっきり描かれていませんが、初めて賞を取ったとき喜んでくれた父親とはもう長らくあっていないと思います。

 だとしたら、葵は「絵を喜んでくれる人」転じて「大事な人」を作ってしまうと、いつかくる別れが辛いことを身を持って経験していることになります。

 そこで、あえて特定の人と近しい関係にならないようにしているんじゃないかなって思います。

 だから、4話で瞳美が未来から来たことを明かしたとき、琥珀に「いつか帰るの?」と聞いたりした。このときはまだ自分の絵に価値を見出してくれる人程度にしか思っていなかったんでしょうけど、6話以降、瞳美は徐々に葵にとって「大事な人」になっていく。8話で将に瞳美が未来に帰るのが寂しくないか聞かれたとき「しょうがないだろ」と言ったのは、そんな自分にいい聞かせていたんじゃないかな。

 そんな葵とは対照的に、将は悩んだり迷ったりするのが好きじゃないと言って、瞳美に告白する。文化祭も残っていて、まだまだ顔を合わせる機会は多い。

 「すごいな、お前」は自分にない勇気を持っていて、それでいて正しくフラれた将を尊敬したセリフだと思います。

 

瞳の返事を聴く将

 将が瞳美から来たメッセージに返信するシーン。

 「俺も楽しみ」って打とうとしたんだと思いますが、途中で消して「バンバン鍛えるからな!」という文章に変えてしまう。

 前日まで、先輩として接するか男として接するか悩んでいたんでしょうね。

 で、最後、将が瞳美にフラれるシーン。

 瞳美が言いやすいように相槌を打って、最後は「覚悟できてるから」と促す。先輩としてか男としてかみたいな話じゃなくて、先輩であり男であるフラれ方ですよね。

 フラれるときまで後輩の背中を押す。こんなかっこいいフラれ方見たことない……。

 

 フラれるフラれる連呼していると将に悪いので、瞳美の話もしましょう。

 将に返事をするとき、「気になる人がいる」と言っていましたね。

 100%あの人のことなんでしょうけど、この先どうなるんでしょうか!!

 まだ4話残っています!続きが楽しみですね!!!!