お肉の貯蔵庫

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『色づく世界の明日から 第10話』感想(ネタバレ)!

 

第10話 まとめ

あらすじ

『モノクロのクレヨン』

 瞳美に自分の本心を語ったあさぎ。互いの本当の気持ちを知ったふたりの間に、気まずい空気が流れる。あさぎともう一度仲直りしたい瞳美は、勇気を振り絞り彼女に声をかけ……。一方、魔法写真美術部では文化祭に向けて、準備が進行中。琥珀は魔法部として「絵の中に入る魔法」を文化祭で披露することを思い立つ。絵に入った一同は様々なものを目にするが、唯翔にはある出会いがあり……。

色づく世界の明日から 公式サイトより抜粋)

 

 

注目キャラ 

月白瞳美

 琥珀の発案により、文化祭で披露する魔法部の企画で中心を務めることになる。そのために練習を重ね、デモンストレーションでは部員全員を葵の絵の中に入らせることに成功する。絵の中で幼少期の瞳美に会ったという葵に母の話を始める。

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葵唯翔

 琥珀が発案した企画の要となる絵を担当する。デモンストレーションのために部員全員の入ってみたい絵の要望を聞き、一枚の絵に仕上げる。絵の中で金色のサカナを見つけ、追いかけた先で幼少期の瞳美に出会う。

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ストーリー本編

シーン① 瞳美とあさぎ

 あさぎとの気まずくなった関係を修復したい瞳美は、あさぎが好んで飲んでいたオフリーを持って話しかける。だが、あさぎはそれを避けてしまう。

あさ「バカみたい、私。瞳美ちゃんは悪くないのに」

 瞳美を避けて校舎脇に着いたあさぎはそう言うが、部活の時間になると、外で撮影すると挨拶だけしに訪れて瞳美のいる部室に入ろうともしない。瞳美は後を追いかける。

瞳美「自分勝手なのわかってる。でも、あさぎちゃんと話したい」

  「あさぎちゃんはこっちに来て初めて出来た大切な友達だから」 

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シーン② 仲直り

 公園でお話をすることになった二人。

あさ「怖くて踏み出せないんです」

  「本当は瞳美ちゃんに嫉妬する資格なんてなくて、ごめんなさい」

瞳美「ううん、私も。相談に乗ってくれてありがとう。嬉しかった」

あさ「私も。追いかけてきてくれて本当は嬉しくて」

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シーン③ 魔法部の企画

 琥珀は魔法部の文化祭の出し物として「絵の中に入る魔法」を使った企画を思いつく。そして、試しに部員で葵の絵に入ってみることを提案する。

 葵は部員全員の入ってみたい絵を盛り合わせた新作を描き始める。

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シーン④ 瞳美と琥珀

 帰り道、琥珀は瞳美が以前に葵の絵に入ったことからインスピレーションを得たといいう。

琥珀「絵の中なら、瞳美もみんなと同じ景色を見られるよ」

 瞳美はそれを聞いて、その魔法を自分でも使えたらと漏らす。ところが、琥珀はむしろ瞳美が企画の中心だという。

  「絵の中の物を取り出すのは私にもできるけど、絵の中に入る魔法は難しいんだよ」

  「描いた人の心に触れる力が必要だとも言われてる」

  「きっと瞳美はこれ系の魔法が得意なんだと思う」

 その後、瞳美は琥珀と特訓を開始する。最初は失敗を重ねるも、葵が絵を完成させる頃には成功するようになっていく。

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シーン⑤ 絵の中

 部員全員の要望を聞いていたらテーマパークみたいになったという葵の絵の中に入る一同。

瞳美「私、初めてみんなと同じ色を見られたんだと思うと嬉しくて」

 部員はそれぞれ思い思いに絵の中を探索していく。

葵 「きっとたくさん見に来るよ。そう思うとちょっと恥ずかしいけど」

瞳美「見てもらいたいです、この世界を」

  「私に世界には色が溢れているって思い出させてくれた唯翔さんの絵をもっと」

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シーン⑥ 幼少期の瞳美

 瞳美と葵が探索していると二人の前に金色のサカナが現れる。二人が追いかけると暗闇に迷い込み、瞳美の姿は消えていた。

 葵の前に現れたのは石化した瞳美と大きく重たい扉。

 扉の先では幼少期の瞳美が何枚も同じ絵を描いていた。葵にはお姫様と女王様が川を隔てて離れ離れになっている絵に見える。

 見かねた葵は舟や鳥、虹の橋など川を越えるための絵を描き、その切り抜きを瞳美に渡そうとするが拒まれてしまう。

瞳美「いらない」

葵 「どうして、渡ってもいいのに?」

瞳美「ダメ」

葵 「どうして?」

瞳美「わかんない」

 しかし、瞳美は紙を一枚ちぎって葵に渡す。

 葵が一緒に絵を描き始めると、魔法の効果が切れる。

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シーン⑦ 瞳美の母親

 絵から戻った葵は、無意識に涙していた瞳美にあったことを全て話す。

瞳美「母は魔法が使えませんでした。代々続く月白家で初めてのことだって、親戚の誰かが言っていた気がします」

  「だけど、私は使えて」

  「ある日突然、母は出て行きました」

  「どうしていなくなったのか、どうして私を連れて行ってくれなかったのか、理由はわかりません」

  「きっと罰なんだと思います。魔法が使えた自分に浮かれて、母の気持ちにも気付けなかったから」

 葵は瞳美のせいじゃない、魔法のせいじゃないと繰り返す。瞳美はそれに「やめてください」と声を荒げてしまう。

葵 「いいよ。瞳美はもっと怒っていい」

瞳美「私、頑張ったんです、お母さんに喜んでほしくて」

  「でも間違ってて、お母さんはそれが嫌で、一人で苦しんで一人で決めて一人で出て行って、追いかければいいのに出来なくて、お母さんのバカって言えばよかった。私のバカ」

  「私のバカ」

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シーン⑧ 瞳美が2018年に来た意味

 葵と二人で帰る途中、瞳美は考える。

瞳美「魔法なんて大キライ、お母さんを奪ったものだと思ったから。ずっとずっと嫌いだった。でも――」

 そこまで考えたことは、葵に話しかけられ中断する。

 そして葵と別れた後、また考える。

  「私は何をしにここへ来たんだろう、私が来た意味」

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登場した魔法

絵の中に入る魔法

 グラバー園で無意識に使ったものと同じもの。琥珀曰く難しく人の心に触れる力が求められる魔法。

絵の中のものを取り出す魔法

 実際に唱えるシーンはないが、琥珀はこの魔法は自分にもできるが絵の中に入る魔法は難しいと言っている。

物を浮かせる魔法

 かつて瞳美が瑠璃から教わった魔法。そのときはコップを倒すことで精一杯だったが、今では浮かせて綺麗に着地させるまでに上達している。

 

第10話 感想

瞳美とあさぎの仲直り

 思ったよりあっさりでした(?)ね。

 ツイッターを見ていると、10話以降は凪あすのようなドロドロ展開が始まると予想している人も多かったので、だいたいの人は同じような感想なのではないでしょうか。

 とは言え、僕はこの作品にそういうの求めてなかったんで、早めに仲直りしてくれてよかったです。

 ガールズトークなんて参加したことも聞いたことありませんが、あさぎちゃんが「全部将くんが悪いんです」って言ってたの、なんかリアルだなって思いました。

 

「絵の中の物を取り出すのは私にもできるけど、絵の中に入る魔法は難しいんだよ」

 琥珀のこのセリフ、つまりは瞳美は琥珀に使えない魔法を使えるってことですよね。

 得意不得意もあるでしょうけど、散々触れられてきた瞳美には秘めた力が宿っているっていう伏線の回収としては十分な気がします。

 月白家の女性は隔世ですごい魔法使いっぽいので個人的にも納得です。

 柚葉(瑠璃曰くすごい魔法使い)→琥珀(時間魔法を使える大魔法使い)→瞳美(その琥珀も使えない魔法を使えるヤバい魔法使い)

 

絵の中の物を取り出す魔法

 ふと思ったのは金色のサカナも絵の中の物なんですよね。

 もし、ときどき瞳美や葵の前に現れる金色のサカナが、瞳美が無意識に絵の中から取り出したものだとしたら、やっぱり瞳美は1話で葵の絵を見る前から金色のサカナの存在を知っている必要がありますよね。

 

葵の成長

 人に絵を見せるのはあんまり好きじゃないと言っていた葵が、部員全員の要望を聞いた絵を描き、沢山の人に見られることを「ちょっと恥ずかしい」で済ませているあたりがすごい良かったです。

 葵が瞳美の心に踏み込むっていうのも6話と対照的でいいですね。瞳美も6話の葵のように声を荒げるくらい取り乱すわけですが、葵は「もっと怒っていい」と受け止める。うん、イケメン。

 もし、瞳美が超絶男前な性格をしていて6話のとき「もっと怒っていい」と葵を受け止めていたら、どうなったんでしょうか。気になるけど、個人的には見たくありません。

 

 

 葵が幼少期の瞳美に会ったとき、窓を見上げるシーンがあります。これは6話で瞳美が絵の中に入ったとき最初にあった窓と何か関係があるんでしょうか。

 同じく無機質な部屋にある窓です。

 6話では薄暗い部屋の窓から葵の絵が見えました。これは高校2年生の瞳美にとって葵の絵が明かりのように頼りになる存在だということだと理解してます。

 一方で10話では葵が現れた後で窓から光が差したという演出にも見えます。それとも、葵ですら見上げる位置にある窓なので、幼少期の瞳美にはいくら手を伸ばしても届かないということでしょうか。

 うまく説明できないですが、面白い演出ですね~! こういうの好きです。

 

葵にとっての金色のサカナ

 かつてこのブログでは金色のサカナは葵にとって「見た人が喜んでくれる絵」の象徴だと言いました。

 でも、今回サカナにいざなわれる様にして幼少期の瞳美と出会った葵は、悲しい絵を描く瞳美のためにいろいろ描くわけですが、全部いらないってされちゃうんですよね。全然喜んでくれません。

 だとしたら、どちらかと言えば金色のサカナは「絵を描く原動力」って意味合いのほうが正しいのかもしれませんね。実際、いらないってされても葵は最後まで瞳美のために絵を描き続けていますし。

 それとも、瞳美と仲直りするときのあさぎのように本当は嬉しかったけど、そういう態度をとってしまったか。

 

瞳美の母親

 1話でボカさずに言ってくれていたので、概ね予想通りでしたね。ただ、ちょっと不思議ですよね。

 魔法使いの血筋を前提に話されているってことは、瞳美の母親は琥珀の息子の嫁ってパターンではなく琥珀の娘ってことですよね。

 魔法の才能云々の話は置いておき、聖人みたいな琥珀の育てた娘がネグレクトって理解できなくはないですけど突飛すぎるというか、全然触れられない瞳美の父親のことも合わせて、まだ何かありそうだなと思います。

 個人的には、瞳美が考えているような理由で出ていったわけではないと考えています。

 

 

瞳美の最後のセリフ

 魔法について、「ずっとずっと嫌いだった」と過去形で言っています。

 以前、柚葉は瞳美が未来に帰るためには大きな魔法を習得する必要があるが、嫌いなものを無理して特訓しても意味がないというようなことを言っていました。

 今の瞳美は魔法に対して前向きで、琥珀が使えないような魔法も使えるくらいまで成長しています。

 つまり、もう未来に帰る準備は出来ているといってもいいような気がします。

 最後に言った「私は何をしにここへ来たんだろう、私が来た意味」。

 もし、これが最後のピースだとしたら、一貫した謎である「そもそもなぜ瞳美は過去に送られたのか」がわかったとき、瞳美は未来に帰ってしまう(帰らなくてはいけない)のかもなんて思います。