『色づく世界の明日から』を振り返る 第1話!
- 第1話の振り返り
- あらすじ
- ストーリー(時系列順)
- シーン① 2078年のまほう屋
- シーン② 水溜まりに反射する花火
- シーン③ 立ち止まってしまった瞳美を追い越していくクラスメート
- シーン④ 色で溢れる屋台の賑わいを離れたところから眺める瞳美
- シーン⑤ 4つの輪をまとった星砂時計を持って現れる琥珀
- シーン⑥ 流れる時の中で女性の後ろ姿を思い出し、涙を浮かべ目を覚ます瞳美
- シーン⑦ 2018年4月の葵の部屋で下車した瞳美
- シーン⑧ 土地勘のない街に迷う瞳美に声をかける写真美術部の面々
- シーン⑨ 唯一の手掛かりであるまほう屋まで案内してもらうことになった瞳美
- シーン⑩ 人で賑わう2018年のまほう屋
- シーン⑪ 瞳美の事情を深く詮索せず優しく受け入れる月白家
- シーン⑫ 瞳美の件が近所で噂になっている、と葵を尋問する母・遙
- シーン⑬ 瞳美に色を取り戻した葵の絵
- 登場する魔法
- 第1話の感想や考察
第1話の振り返り
あらすじ
『キミノイクベキトコロ』
幼い頃に色覚を失ってしまった、魔法使い一族の少女・月白瞳美。祭りの夜、彼女は祖母の琥珀から「高校2年生の私に会いに行きなさい」と告げられ、魔法で60年前の過去へと飛ばされる。気づくと彼女は、南ヶ丘高校に通う高校生・葵唯翔の部屋にいた。自分の身に何が起きたかわからず、あわてて部屋から逃げ出す瞳美。しかしその姿が、唯翔の友人である川合胡桃たちに目撃されていて……。
(色づく世界の明日から 公式サイトより抜粋)
ストーリー(時系列順)
シーン① 2078年のまほう屋
2078年のまほう屋は看板にカバーを掛け、店先はコケが茂っている。
母屋の屋根裏部屋では、琥珀が手紙をしたためていた。一緒に祭に行く約束をしていた瞳美はそろそろ花火が始まると琥珀を急かす。
先に行くよう言われた瞳美は一人で祭へ向かうも間に合わず、道すがら背後で打ちあがる花火を振り返る。
シーン② 水溜まりに反射する花火
空一面に打ちあがる花火は長崎港だけでなく、瞳美の足元の水溜まりにも反射している。
瞳美「いつからだろう、花火を楽しめなくなったのは」
「母と一緒に見た花火は、赤、青、黄、緑、オレンジ、全てが美しかったのに」
「私は大きくなって、大事な人は遠く離れて」
「いつの間にか、世界は色を失っていた」
シーン③ 立ち止まってしまった瞳美を追い越していくクラスメート
瞳美に気付いた二人が声をかける。
クラ「来たんだ、こういうの来ないと思ってた」
「人混みとか嫌そうだもんね。誰かと待ち合わせ? もしかして一人?」
悪気のないトーンでいうクラスメートに、瞳美はうつむくばかり。そんな瞳美を二人は同級生が集まっているところへ一緒に行かないかと誘うが、瞳美は「約束あるから」と断る。
そして瞳美は、「やばい、出遅れた」といって去っていく二人の背中をぼんやり眺める。
シーン④ 色で溢れる屋台の賑わいを離れたところから眺める瞳美
瞳美「私は大丈夫、一人でも平気。言い続けているうちにだんだん本当になっていく」
「これも魔法のせいなのかもしれない」
「自分を守る、ささやかな魔法」
「魔法なんて大キライ」
「私が魔法使いじゃなかったら、花火は今も綺麗だったかな」
シーン⑤ 4つの輪をまとった星砂時計を持って現れる琥珀
琥珀「時間魔法の必需品」
「今日のために60年分、満月の光を浴びさせ続けてきたのよ」
「新月の夜に満月の力を借りるなんて、矛盾した魔法だと思わない?」
「あなたは今から高校2年生の私に会いに行きなさい」
「魔法であなたを過去へと送ります」
いきなりのことに戸惑う瞳美だが、琥珀は「これは決められたこと」で過去へ行く理由は「行けばわかる」とだけ伝える。
「友達や恋人と別れたくないとか、そういうのあるだろうけど」
瞳美「別にそういうのどうでもいい」
琥珀「あなたの悪い癖よ、瞳を逸らさないこと」
「せっかく行くんだから、楽しんでいらっしゃい」
琥珀はそういって瞳美を抱きしめると、時間魔法の詠唱を開始する。
シーン⑥ 流れる時の中で女性の後ろ姿を思い出し、涙を浮かべ目を覚ます瞳美
意識を失っていた瞳美が目を覚ますと、バスのような乗り物に乗っていた。
膝の上には、琥珀がしたためていたと思われる手紙や2018年版の地図、それから祭で持ち歩いていたポポッキーが置いてある。
急停車するバス。瞳美は運転手から停車駅は「キミノイクベキトコロ」だと教わり、ポポッキーを運賃代わりに支払って降りる。
シーン⑦ 2018年4月の葵の部屋で下車した瞳美
バスを降りると、瞳美は見知らぬ部屋に放り出される。部屋のカレンダーから本当に2018年にやってきたことを察する。
部屋の主である葵唯翔が傍にいるという緊迫感の下、瞳美は未来にはないタイプの窓の鍵に悪戦苦闘しながらも何とか脱出に成功する。
しかし、その場面を葵と同じ写真美術部の川合胡桃らに目撃されていた。
シーン⑧ 土地勘のない街に迷う瞳美に声をかける写真美術部の面々
見ず知らずの胡桃たちに身構える瞳美だが、未来では同じ南ヶ丘高校に通っていたこと、コケて擦りむいた膝を気遣ってもらったことなどきっかけに言葉を交わす。
ここでも制服の違いや絆創膏の使い方がわからないなど、時代のギャップに戸惑う。
シーン⑨ 唯一の手掛かりであるまほう屋まで案内してもらうことになった瞳美
葵の部屋から出てきた理由について上手く答えられなかったり、空の色で盛り上がる写真美術部のノリについていけない瞳美は「大丈夫、一人でも平気」とまた自分を守るささやかな魔法を唱える。
それでも、自分を怪しむのではなく味方になるよう振る舞ってくれる写真美術部の面々に、最後は自然と手を振って別れていた。
シーン⑩ 人で賑わう2018年のまほう屋
琥珀を訪ねるも留学中で留守であると聞かされ、一度は店を去ろうとする瞳美だが、 琥珀の祖母・柚葉の計らいで居候させてもらうことになる。
柚葉「時間魔法は不可逆を扱うから、とても難しいとされているのよ」
「あなたに『おばあちゃん』と呼ばれたときは驚いたけれど、琥珀なら実現できるかもしれないわね」
「それに本当のほうが素敵でしょ、こうして孫の孫に会えるなんて」
突然やってきた自分を優しく受け入れてくれる柚葉らに、せめて月白家に代々伝わるアズライトを見せて身分を証明しようとする瞳美だが、どうやらどこかで落としたらしいことに気付く。
シーン⑪ 瞳美の事情を深く詮索せず優しく受け入れる月白家
落としたアズライトを探すために「失くした物を見つける魔法」を使うことを提案されるが、魔法が苦手な瞳美は瞳を逸らしてしまう。
柚葉が代わりに星砂を使うことを勧めると、アズライトは葵の部屋にあることがわかる。
シーン⑫ 瞳美の件が近所で噂になっている、と葵を尋問する母・遙
遙 「いいのいいの、怒ってないから」
「むしろ、よくやったっていうか。うちの息子、絵にしか興味ないのかなって心配してたんだから」
「でもほら、うち母子家庭だし、いろいろ言う人もいるからさ」
葵は遙の言葉を「心当たりがない」ときっぱり否定し、絵を描きに出かける。
そのタイミングで葵の家に着いた瞳美は、葵がアズライトを持っているところを見て後を追いかける。
シーン⑬ 瞳美に色を取り戻した葵の絵
瞳美が意を決して葵に声をかけようとした瞬間、モノクロに染まらない葵の絵を捉える。
葵の手元で描かれた金色のサカナはタブレットを飛び出し、瞳を包むように泳ぎだす。すると、瞳美の世界には色が戻っていく。
瞳美「色、見える」
葵 「誰?」
登場する魔法
瞳美を60年前へと送った時間魔法
琥珀がこの魔法で使った星砂時計は4つの輪をまとっていて、時空を司る4次元を連想させるデザイン。琥珀曰く60年もの間、この魔法の準備を進めてきたとのことなので、2018年の琥珀が編み出した魔法ということになる。
失くした物を見つける魔法
魔法が苦手な瞳美はこの魔法が込められた星砂を使って、落としたアズライトが葵の部屋にあることを突き止めた。
笑顔にする魔法、小さな虹をかける魔法、シャボン玉に色を付ける魔法
2018年の魔法屋で琥珀の母・瑠璃が接客中に口にしていた。特に話には関わってきていないが、人の感情に働きかける魔法もあれば、現象を生み出す魔法もあるということがわかる。
第1話の感想や考察
水溜まりに反射する花火
なんといっても、まず気になるのは物語の導入で描かれる「花火」ですね。
他にも9話放送時点で、いたるところで印象的に描かれています。
1話の導入は「花火を楽しめなくなった」と語る瞳美にとってしんどいシーンだと思います。いくらうつむいていても花火が目に映るんですし。
ただ、この「水面に反射する花火」というのは演出以外にも何か意味がありそうな気がします。
というのも、瞳美が初めて色を見た葵の絵が長崎港の水面に花火が反射している絵なんですよね。この作品では絵や花火以外にも「反射」が効果的に美しく描かれているので、何か意図があったら面白いなと思います。
1話では瞳美はまず葵の後ろから絵を見て、気付いたら葵の正面に立っています。下の画像はそのときの瞳美から見たものです。瞳美から見たとき、この絵は「金色のサカナ+空一面に打ちあがる花火」ということになります。
安直に考えるなら、瞳美と葵は見ている世界が180度違うってことでしょうか。
葵から見える夜空には金色のサカナも煌びやかな花火もないけれど、瞳美の見ている夜空(水面)には美しい世界が広がっている、というような。
瞳美が初めて葵の絵を見るシーン
— ばおぺん🐧 (@bao_penguin) 2018年12月1日
空一面の花火に見えるけど、葵は瞳美の正面に座って描いているから、本当は空に花火はない
空虚な空を描いていたところに、花火を見出してくれる存在が現れる
うつむきがちな瞳美だからこそ、水面に映る花火に気付けたんや
めちゃエモ(語彙力)#色づく世界の明日から pic.twitter.com/gjncb1dSbS
瞳美の大事な人
プロローグの独白(シーン②)にて、瞳美は花火を美しく思えた頃に思いを馳せます。このときのセリフから、いま瞳美の近くにはお母さんがいなくて、それがきっかけで色が見えなくなったと考えられそうです。
時間魔法の最中、目を覚ます前の瞳美が見た女性の後ろ姿は瞳美の母親なのでしょうか。
2078年のまほう屋は営業していない?
2078年でのまほう屋は看板にカバーを付け、店先の草も伸びっぱなしです。2018年の描写と比べると、そういう趣でやっているわけでもなさそうなので、未来では営業していないのではないかと思います。
もし営業していないのだとしたら、瞳美の母親がいなくなった(?)ことと何か関係がありそうですね。77歳(?)の琥珀と魔法が使えない瞳美だけで店を回すのは難しいでしょうし。
アズライト
1話では通信に使ったり葵と瞳美を引き合わせたり、物語の展開的に十分な役割がありました。
ところが、2話以降で物語の展開をサポートするようなことはありません。もちろん、監督が1話のためだけに用意したとは考えにくいです。
そこで伏線的な存在として考えてみると、「アズライトは月白家の魔法使いに伝わる」という設定が後半で活きてきそうですね。どう活きるのかは皆目見当もつきませんが……。
瞳美がアズライトを失くしたことに気付いた際に瑠璃が言っていた、魔法使いなら「アズライトは放っておいても戻ってくる」という話もなんとなく気になります。
時間魔法
そもそもなぜ瞳美を過去へと送ったのか「決められたこと」
色が見えず、他人に心を閉ざしている瞳美の問題を解決するのは重要なことだと思います。ですが、瞳美が生まれるより遥か前から時間魔法の準備を進めてきたというのは少し謎が残ります。
もしも、2078年の琥珀も高校生のときに瞳美に出会い瞳美の問題を知っていて、そのために60年間準備を整えてきたのだとしたら、それだけの思いやりがあるのに「決められたこと」とだけ言って、ちゃんとした説明なしに過去へ送るのは矛盾しているような気がします。
それに、それだけの力があって過去へ送る方法でしか瞳美の問題を解決できないのは信じがたいです。笑顔にする魔法なんかもあったりして、人の内面に作用する魔法は沢山ありそうなので尚更。
やっぱり瞳美の問題を解決すること以外にも、何か目的があるような気がします。
ポポッキーに目がない運転手
9話時点でポポッキーが好きだという明確な描写があるのは瞳美と運転手だけです。琥珀もよく食べていますが、「好き」という明確な描写はありません。
運転手の描写、たまたまにしては意図的な気がします。もしかしたら、時間魔法は琥珀のものだけど、瞳美のアイデンティティが大きくかかわっているのかもしれませんね。瞳美が好きだから運転手にも反映された、みたいな。
あるいは、時間魔法を使う代償が「好きなもの」だったり……。最初、運転手は現金を要求していたので、その線は薄そうですが。
それに、他の話でのポポッキーに関する描写で、月白家はポポッキーを袋買いしていること、瞳美がポポッキーをステッキに見立てて魔法を練習するシーンなどがあり、ポポッキーは魔法使いの象徴的な描かれ方をしているので、運転手は単純に魔力的なものを望んだという解釈もできそうです。
なぜ葵の部屋に現れたのか
特に理由はないと言われてしまえばそれまでですが、気になるポイントではあります。2078年で時間魔法を使った座標と2018年の葵の部屋の座標が同じなんでしょうか。
運転手が言っていた「キミノイクベキトコロ」は2018年そのものだという理解が普通かなと考えていますが、葵の部屋も「キミノイクベキトコロ」なんでしょうか。
瞳美と葵の性格
瞳美と葵の性格は違うようでどこか似ているんだと思います。瞳美は2078年で同級生から一緒に祭に行かないか誘われたとき「約束あるから」とぶっきらぼうに断っています。琥珀との約束があるから事実なんですけど、「クラスメートとは祭を回りたくないから咄嗟に吐いた嘘」ともとれるような断り方ですよね。
言ってしまえば、瞳美には「ちょっと言葉が足りないところがある」のかなぁと感じます。
一方の葵についても、同じ部活で同級生の胡桃が「ちょっと言葉が足りないところがある」と評していて、なんだか似た者同士だなと思います。