お肉の貯蔵庫

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『色づく世界の明日から』を振り返る 第3話!

 

第3話の振り返り

あらすじ

『No Rain, No Rainbow』

 新入生を対象に、部活に体験入部する「クラブ活動紹介」が始まった。唯翔が描いた絵が忘れられない瞳美は、写真美術部を訪れる。自分に色覚がないことを隠したまま、唯翔に促され、生まれて初めて絵筆を手に取る瞳美。さらに彼女はそのまま、写真撮影会にも参加することに。胡桃に懇願され、撮影のモデルを務めることになる瞳美だったが、そこで思いも寄らぬトラブルが彼女の身に降りかかる。

色づく世界の明日から 公式サイトより抜粋)

 

 

ストーリー

シーン① 熱心に瞳美を勧誘する胡桃とあさぎ

 瞳美は登校中、胡桃とあさぎから部活動見学に誘われる。

 あさぎは新入生歓迎イベントについて楽しげに説明するが、瞳美の頭の中では「色がわからないのに写真美術部に入るなんて」と消極的な考えがよぎる。

 しかし、葵との「また魔法を見せる」という約束も頭をよぎる。

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シーン② 瑠璃から魔法のコツを教わる瞳美

 懐かしい夢を見る星砂を作る瑠璃。葵との約束がある瞳美はコップを浮かせる魔法を教わることに。

 初めはなかなか上手くいかないものの、ポポッキーを使って集中力をコントロールするよう助言を受け、コップを倒す程度の魔法なら使えるようになる。 

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シーン③ 色のある絵と美術体験

 教師から新入生歓迎イベントを機に部活動に参加することを勧められた瞳美は写真美術部のドアを叩く。

 瞳美は展示が行われている室内の奥に葵の絵が飾ってあることに気付く。たくさんの花火が水面に反射する長崎港の絵。しかし、そこに金色のサカナは描かれていない。

葵 「来たんだ」

 絵に見惚れている瞳美に葵が声をかける。

 参加者記入用紙に名前を書く瞳美。葵はそこで初めて瞳美のフルネームを知る。

  「うちは写真美術部だけど、どっちをやりたいとか希望ある?」

瞳美「どっちもです」

 どちらをやるにしても色が見えない瞳美は瞳を逸らしながら答える。

葵 「絵とか興味あるんだ」

瞳美「少し」

 写真の展示を見る参加者ばかりで退屈そうに受付に座っていた葵は少し声を弾ませる。

 美術体験として絵を描くよう勧める葵。一度は断る瞳美だが、色が見えないことを隠しているため説得力のある断り方ができない。そして、葵に「初心者でも大歓迎だから」と促されるまま初めて筆を握る。

瞳美「絵なんて描けないけど、あの絵を見ていたい」

  「色を見たい、もっと」

 マゼンタやバーントシェンナなど、一度も絵を描いたことがない初心者ならまず避けるであろう絵の具を絞っていく瞳美。

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シーン④ 瞳美を活動に連れ出す写真美術部

葵 「すごいね、色遣い」

 仕上がった絵を見て、大味ではあるが面白いと前向きな評価をする葵。

 そこで写真美術部の面々がやってきて、瞳美は将から部活全体の説明を受けることに。将は新入生歓迎イベントでの各部の様子を写真に収める活動があるといい、その活動に瞳美を誘う。

 断る瞳美だが、胡桃は瞳美の手を掴み活動に連れ出す。

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シーン⑤ 撮影イベント

 プールを使った撮影イベントが始まる。

 集まった新入生にカメラ体験を勧めるも熱く語りすぎて引かれてしまう将と、それをカバーするように「初心者向けのカメラもある」と自分のカメラを指さす胡桃。

 瞳美も操作が簡単なカメラを受け取り、撮影イベントに参加しようとする。

 ところが、部長の将が他の部の撮影に向かうことになってしまい、撮影イベントの段取りに影響が出る。撮影はキャリアの長いあさぎ、司会進行は胡桃がそれぞれ担当することになるが、胡桃がやるはずだった被写体の要員に穴が空いてしまう。

 調子付く千草に被写体を担当させたくない胡桃は瞳美に被写体をやるよう頼みこむ。

 頑なに拒み続ける瞳美だったが、

葵 「モデルっていっても歩くだけだし、月白さんにもできると思うよ」

  「うちの部に入る気があるなら、撮られる側も良い経験になるんじゃない?」

  「無理にとは言わないけど」

  葵にそう言われて顔をあげると、困り切った表情の胡桃やあさぎがいた。

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シーン⑥ 水の上を歩く瞳美

 撮影イベントの目玉はプールの上を歩く被写体を撮るというもの。

 被写体をやることになった瞳美は星砂を使って水の上を歩くようレクチャーされていた。瞳美は胡桃から「水色の星砂」と聞いていたが、色がわからないため別の星砂と間違えてしまう。

 それは水の上を歩く魔法ではなく雪を降らす魔法だったが、瞳美はなぜか水の上を歩けてしまう。

 ところが、星砂を間違えたことに気付いた胡桃がその事実を告げると、その場で瞳美は水の中に落ちる。

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シーン⑦ 葵にだけ告げる真実

 更衣室からジャージに着替えた瞳美が出てくると、少し離れたところで葵が待っていた。将たちは写真部としての活動が残っており、葵だけが瞳美に付き添うことになっていた。

葵 「本当迷惑かけちゃって、こないだ無理強いして困らせたばかりだったのに」

 被写体をやるよう促した自覚のある葵は素直に謝罪する。そして、色が見えないことを隠していた瞳美も負い目から謝罪して、目を合わせずに葵の前から去ろうとする。

  「もしかしてわかんなかった、色?」

瞳美「どうして」

葵 「見てたらそうかなって。部室で描いた絵の色遣いとか、星砂の色間違えたこととか、絵を描くときにも困ってたように見えたし」

瞳美「私、色が見えないんです。灰色の世界にいる、みたいな」

葵 「虹見ても白黒に見えるってこと?」

瞳美「誰にも言わないで」

  「誰にも知られないように見つからないようにしようって」

葵 「なんで」

瞳美「怖いから。なんて言っていいか私もわかんないし」

  「何も知らないほうがお互いに楽だから」

  「でも、あの絵を見て、私にもこんな世界があったんだって」

  「慣れないことしようとしたのがいけなかったの」

  「ありがとうございました、私に色を思い出させてくれて」

 葵は去っていく瞳美の後ろ姿に呟く。

葵 「色のない世界なんて上手く想像できないよ」

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シーン⑧ 部活終わり

胡桃「瞳美ちゃんにも悪いことしちゃったな。だけど、星砂を間違たのになんで水の上を歩けたんだろうね」

あさ「きっと魔法の力じゃないですか、瞳美ちゃん自身の」

 下校中、誰も瞳美のせいにすることなく、撮影イベントの失敗を嘆いては後悔する写真美術部。

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シーン⑨ 写真美術部と和解し、入部を決意する瞳美

 翌日、気まずさから写真美術部を避け、屋上に逃げてしまう瞳美。

瞳美「ちゃんと顔を合わせて、ちゃんと話をしなきゃダメ」

  「魔法と一緒。思い込みが肝心」

 瞳美はポポッキーを振って何らかの魔法を自分に掛け、部室へ向かう。

 入口を開けると瞳美に宛てた大きな張り紙が吊ってあり、顔をつかえる。そこには「瞳美ちゃんへ プールにいます!」と書いてある。

 瞳美がプールへ向かうと、掃除をする胡桃の元気な声が先行して聞こえてくる。

瞳美「プール掃除ですか?」

千草「罰当番。使用許可はもらってたけど、水に入るなって言われたんだって」

 それを聞いた瞳美は勢いよく頭を下げるが、写真美術部の面々は責任は自分たちにあると次々に謝る。

 千草の言葉がきっかけで瞳美と写真美術部は和解し、瞳美もプール掃除を手伝うことに。

 虹を見ても白黒にしか見えない瞳美が撒く水の先には虹が掛かっている。

葵 「そういや将、お前の写真ってモノクロだよな」

将 「なに、今更」

瞳美「モノクロですか?」

葵 「それなら月白さんにもできるんじゃない?」

 葵の促すような口調は変わらないが、そこに無理強いはなく、

瞳美「入部させてください!」

 瞳美は自発的に入部を決めた。

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登場する魔法

体をほんのちょっと浮かせる魔法

 撮影イベントで瞳美が使った(?)魔法。瑠璃と特訓していた魔法と同じものと考えられる。そのときはコップを倒すので精一杯だったが、撮影イベントではプールの上を歩いている。

懐かしい夢を見る魔法、虹を作る魔法

 両方とも、この話以外でも何かと耳にする魔法。瑠璃は「あんまり役に立たないもの」と表現している。虹を作る魔法に関しては、登場人物7人のイメージカラーが虹の配色と同じなので何らかの意図があると思われる。

雪を降らせる魔法(?)

 おそらく撮影イベントで瞳美が間違えて使った星砂に込められていた魔法。これにより撮影イベントは幻想的なものになったが、胡桃が瞳美のミスに気付いたきっかけでもあった。

瞳美が屋上で自分にかけた魔法

 写真美術部と気まずくなった瞳美が和解しにいく勇気を得るため自分に掛けた魔法。瞳美は「魔法と一緒。思い込みが肝心」と言っており、自己暗示の延長線上にあると思われる。

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第3話の感想や考察

瞳美の描いた絵

 葵は後にこのときの瞳美を「困ってたように見えた」と言っていますが、それにしては絵の具を迷いなく出していた印象です。

 ちなみに、瞳美と同じく美術的な絵を一度も描いたことがなければ色の名前もわからない僕としては、マゼンタやバーントシェンナなんて色はまず避けます。

 うーん、色のわからない瞳美だからこそ先入観を持たずに選べたんでしょうか。

 葵は瞳美の絵を前向きに評価していますが、僕も「あれ、そこまで変じゃなくない?」って感じで見てました。

 屋上で瞳美が魔法を唱える際に思い込みが肝心と言っているように、色がわからないのは自分に魔法かけ思い込んでいるせいで、本当は必要な色が分かっている、あるいは色が見えていた頃は色が好きでそのとき色の種類を覚えていた、とか。

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胡桃のカメラ

 撮影イベントで新入生相手にカメラについて語りすぎてしまう将。胡桃はそれを「初心者用のカメラもある」といってフォローします。

 このとき、胡桃は自分のカメラを指さしているんですね。つまり、自分のカメラは初心者用だと……。

 7話を観た後だと、この細かい描写に泣けます。

 

屋上に逃げ込んだ瞳美

 プールに落ちた翌日。写真美術部と気まずくなった瞳美が屋上に逃げ込むシーン。

 瞳美は葵がよく屋上にいることを知っていたはずですが、葵と遭遇していたらどうしていたんでしょうか。もし、無意識に葵なら大丈夫って考えていたんなら尊い……。

 

葵はなぜ瞳美を試したのか

 瞳美がプールに落ちた後の葵のセリフからも、無理強いした自覚はあるようです。

 でも、よく考えてみたら、葵の立場だったら瞳美のことを試したくもなる気がします。

 突然現れた不法侵入者。と思ったら自分に害を加える感じではなく、自分の描く絵を見たいという。絵に興味があるのかと思えば、描くのは苦手だという。

 瞳美は初めから葵に執心ですが、葵は瞳美がどういう人物なのか全く掴めていないんですもんね

 不審さや戸惑い、でも絵を喜んでくれる嬉しさ、いろんな感情があっての言葉だったんでしょうね。

 瞳美の事情を知った後は試すような促し方はせず優しい口調になっています。